4万5800円の2in1はどこまで使えるのか? 「HP Pavilion x2 10」を試す:注目2in1ノートレビュー(3/3 ページ)
“デタッチャブル”2in1スタイルで1キロを切る10型モデルが登場した。Bay Trail-M世代のAtomを採用し、使用場所を選ばない“お手ごろ価格”の実力は?
ブラウザゲームやビジネスソフトが中心なら十分
HP Pavilion x2 10のパフォーマンスをいくつかのベンチマークで計測してみた。
Windowsエクスペリエンスインデックスの結果は、CPUが6.3、メモリが5.5、グラフィックスが4.1、ゲームグラフィックスが4.2、ディスクが6.65となった。Bay Trail-Tで強化したとはいえ、グラフィックスの性能はやや低めな傾向で、メインとなるのは2D用途、ビジネス用途といえそうだ。
PCMark 7のスコアはOverallで2385となり、Atom搭載タブレットのなかではまずまず高いスコアといえるだろう。とはいえストレージのスコアは低く、LightweightやProductivityが、Atom Z3740搭載タブレットとの比較で低い。一方で、Entertainmentが高いスコアを出している。
CINEBENCH R11.529のスコアは、CPUが1.24 pts、シングルCPUが0.32 ptsとなった。Atom Z3745Dの動作クロックを考慮すれば妥当な値だろう。
CrystalDiskMark 3.0.3bによるストレージテストでは、シーケンシャルリードや512Kリードのスコアが100Mバイト/秒を大きく超え、eMMCとしてはかなり高い転送速度であるようだ。一方で、4Kや4K=QD32の値はやや低めに落ち着いた。
グラフィックス性能の評価では、ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.10を試した。画質設定を低品質に、解像度を1280×720ピクセル、640×480ピクセルで計測してみたが、前者は1592ポイントで「重い」という判定、後者は2545ポイントで「やや重い」という判定だった。「ゲームプレイは可能ですが、全体的に動作が重く感じられます」となる。ブラウザゲームまでならそれなりにプレイできても、3Dゲームに関しては解像度や画質を抑えても少々厳しいようだ。
バッテリー駆動時間の実測では海人氏作のbbench 1.01を利用した。無線LAN(IEEE802.11a)で常時接続し、60秒に1回Webサイト(10種類)を巡回し、10秒おきにテキスト入力を行う条件で計測したが、満充電の状態から残り5%で休止状態に入るまでに57346秒、16時間近い結果となった。
ACアダプタは、コンセント付きアダプタから直にケーブルが伸びるタイプだ。それほど大きくはないものの、本体が小さい分、相対的にACアダプタが大きく見えてしまう。とはいえ、ノートPC用のACアダプタに比べれば小型軽量なので持ち運びに苦労しない。なお、micro USBを充電に使うHP Pavilion x2 10だが、供給電流は2.1アンペアを上回る(3.7ボルト4アンペア超)ため、モバイルバッテリーによる充電は困難とのことだ。
小さくて軽くて打ちやすく使いやすい。そんな低価格の2in1
HP Pavilion x2 10は、キーボードカバー込みでも1キロを切るデタッチャブルタイプとしては軽量の2in1だ。ディスプレイ固定角度の調節も柔軟で、キーボードも打ちやすい。使う場面を考慮した設計という点で評価できる。
フルHDの解像度が欲しいとか、システムメモリは4Gバイト程度欲しいとか、いろいろとお願いしたい面もあるものの、それは価格とのトレードオフということになる。HP Directplusモデルなら4万5800円という価格を考えると、それ以上の価値は十分に持っている。
なお、カバー部分のカラーバリエーションでムートングレーとディープブルーを用意している。HP Directplusモデルではムートングレーのみを取り扱っている。本体色に近い落ち着いた色味で、ビジネス用途で用いても派手な印象を与えることはない。ディープブルーは、水色に近い色味だ。カラーバリエーションを用意したことで、オンタイムで使いたいユーザーもオフタイムで使いたいユーザーも選ぶことができる2in1といえるだろう。
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