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新VAIO Zの「勝色ダブルアルマイト仕様」と「Z ENGINE基板アクセサリー」に迫る遊び心と異常なこだわり(2/2 ページ)

新しいVAIO Zに用意された3つの「お楽しみ企画」。「無刻印キーボード」は分かるとして、「勝色ダブルアルマイト仕様」と「Z ENGINE基板アクセサリー」は一体どういったものなのか。実物の写真とともに、そのこだわりに迫る。

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凝りすぎたオマケ――Z ENGINE基板アクセサリー

 新VAIO Zの購入者に数量限定で配布される初回購入特典となるのが、「Z ENGINE基板アクセサリー」だ。一見よくあるドッグタグ(軍隊などの認識票)型のアクセサリーチャームなのだが、これが異常なまでのこだわりを込めて作られている点に注目したい。

Z ENGINE基板アクセサリー
初回購入特典の「Z ENGINE基板アクセサリー」
Z ENGINE基板アクセサリーのVAIOロゴ
ひっくり返した裏面にはVAIOロゴがあしらわれている

 ベースとなるのは、VAIO Zのメインボードに使用された回路パターンだ。VAIO Zの基板設計者が自らメインボードで最も美しいと考えるエリアを選び、表面と裏面のデザインに採用している。その上に、VAIOロゴ、Z ENGINEの文字、レーザー刻印によるシリアルナンバーを施し、基板表面にUVコーティングを行い、エッジ保護のためのラバーサイレンサーを付けるという実に凝った作りだ。

基板レイアウト
基板設計者がVAIO Zのメインボードから最も美しいエリアを選択(VAIO提供資料)
製造工程
マザーボードの製造工程かと途中で思ってしまうようなアクセサリーの作り方。手間暇かけて作られている(VAIO提供資料)
表面裏面 ラバーサイレンサーを外したアクセサリーの両面

 さらに驚かされるのが、Z ENGINEの文字部分。これは印刷ではなく、チップコンデンサによるチップアートで作られている。実際にVAIO Zを生産する長野県安曇野工場の実装ラインにて、VAIO Zの実装担当者が、VAIO Zの最小チップ部品と同サイズ(0.6×0.3ミリ)のチップコンデンサをわずか0.15ミリ間隔の高精度にマウントして成形しているのだ。

チップアート
極小チップコンデンサによるチップアート。コンデンサで作られているとは思えない細かさだ(VAIO提供資料)
チップアートの実物
チップアート部分の拡大写真。整然と並ぶ極小チップコンデンサによる文字が美しい
横から
横から見た様子。チップアート部分が盛り上がっているのが分かる

 VAIOのモバイルPCはスペックやボディーデザインに思わず目が行ってしまうが、実は高密度実装のメインボードを自社開発して製造できる技術力こそが、その優位性を生み出すためのベースとなっている。

 このZ ENGINE基板アクセサリーは、長さ5センチほどのボディーに、VAIO自慢の高密度実装技術が凝縮されており、オマケで終わらせるには惜しい。製品化して販売してもVAIOファンが思わず買いたくなるようなアクセサリーに仕上がっている(本当に売らなくていいのだろうか)。

遊び心も忘れないVAIOでいてほしい

 今さらだが、これらのお楽しみ企画は、どれもPCの生産性を上げてくれる類のものではない。ファンサービスやコレクターズアイテムの意味合いが強いものだ。

 こうした企画は中身が伴っていない製品でやったら見向きもされないが、ソニーが2006年2月に発売した「VAIO type S(SZ)」に端を発するVAIO Zシリーズは、十年にわたって高性能と携帯性のハイレベルな融合を追求し続け、モバイルPC愛好家に高く評価されてきた。VAIO Zだからこそ許される“遊び心”ある企画ではないだろうか。

 個人的には、ソニーから分離したVAIO新会社となり、ビジネスPCに軸足を移して“遊ぶ余裕”が大きく減ったように感じていたため、こうした企画は歓迎したいし、今後もさまざまな形で継続してほしいところだ。

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