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Flash排除に向かうEdgeブラウザの今後鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(1/3 ページ)

2016年夏に提供予定のWindows 10次期大型アップデート「Anniversary Update」では、Edgeブラウザの機能強化が予告されている。その中から「Flashコンテンツ停止」について見ていこう。

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「Anniversary Update」におけるEdgeの重要なポリシー変更

 米Microsoftは2016年夏、Windows 10の公開から1周年を祝う大型アップデート「Anniversary Update」を無料で配信する予定だ。開発コード名で「Redstone(RS1)」と呼ばれてきたもので、2015年11月提供の「November Update(1511)」に続く、Windows 10の公開から2回目の大型アップデートとなる。

 Anniversary UpdateはNovember Update(1511)と比較しても、Edgeブラウザ向けの「拡張機能(Extensions)」をはじめ、多くの新機能が追加される予定だ。その他にもEdgeを経由して「Windows Hello」によるバイオメトリクス認証をWebサイトのログイン操作に利用可能になるなど、さまざまな機能強化が行われる。

Extensions
Anniversary UpdateにおけるEdgeブラウザの強化で目玉となる拡張機能(Extensions)。Windows 10 Insider Previewでは既に導入され、試用できる状態にある
Edgeの機能強化
Anniversary Updateでは、Edgeを経由して、Windows Helloのバイオメトリクス認証がFIDO対応サイトのログインで利用可能になる

 Edgeの強化については、「Flashコンテンツの動作を停止してパフォーマンスの向上と低消費電力を実現する」という施策も予告されている。Microsoftが4月7日(米国時間)にMicrosoft Edge Dev Blogで行った説明によれば、Anniversary UpdateでEdgeのFlashプラグイン実行ポリシーを変更し、Webページ内で「中心となるコンテンツではない」と判断されたFlashコンテンツは、「自動的に実行停止状態になる」という。

 中心となるコンテンツとは、例えば「動画プレーヤー」や「ゲーム」などだ。「広告」などのコンテンツは自動的に実行が停止され、ユーザーがコンテンツをクリックするなど明確な意志を示さない限りは実行されない。この仕組みは既にWindows 10プレビュー版の「Windows 10 Insider Preview Build 14316」に導入されており、Anniversary Updateが正式にリリースされるまでテスト運用が続くとみられる。

 Webブラウザの世界ではプラグイン排除の方向性がほぼ既定路線となっており、ChromeやSafariなど他社のブラウザでは、デフォルトでFlashプラグインの実行がブロックされるようになっている。OS X上のSafariに至っては、そもそもFlashプラグイン自体がデフォルトで導入されていない。

 MicrosoftもEdgeではFlash以外のプラグインの実行が許可されておらず、JavaやSilverlightといったプラグインの実行には旧ブラウザのInternet Explorerが必要になる。プラグインの仕組みとしては最後まで残ったFlashだが、その存在は緩やかに消えつつあるのが現状だ。

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