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iPhoneの白は荒川区の下町で作られている厳しい要求に応えるのは「それが面白いから」(3/3 ページ)

「Appleとの取引は未知との遭遇」――その始まりはイタズラメールのようだった。

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華やかな製品に根付く堅実な企業文化

 さまざまな企業との取引があるなか、なぜAppleとの取引を続けるのでしょうか。澤登さんはその理由を「面白いからですよ」ときっぱり。「売上や利益だけを考えるなら、他にも取引企業はありますし、十分やっていけます。それでもAppleからの依頼をやろうと思えるのは、担当の方やAppleの理念が地に足がついていて堅実だから」。そこに上下関係はなく、堅実な姿勢から生まれる信頼関係があると言います。

 「初めはものづくりの印象すらなかったAppleですが、うちの研究員と同じく、作った製品に最後まで責任を持ちます。だからインクを納品したあとも、客先の印刷現場まで出向いて問題がないか確認します。他メーカーでもそういう方はいらっしゃいますが、Appleの担当者は強烈。自分たちに対してもものづくりの姿勢を徹底しており、世界中の現場を飛び回っているのをみると、大丈夫なのかと我ながら心配になるほどです」。

 堅実で、地に足がついていて、ものづくりに誠実に取り組む――澤登氏はAppleをこう評価しますが、それは帝国インキの社風そのものでもあります。

 「青臭い話ですが、諦めなければ道は開ける、真面目にやっているときっといいことがあると思っています。インクそのものに価値はなくて、印刷されるから意味がある。使っていただくことで世の中に役立てればと思ってやっています」(澤登氏)。

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