4Kディスプレイ「スペック誤表記」問題 DMM.comが「返品」に応じた経緯
「DMM.make DISPLAY」のスペック誤表記が判明した。発売元のDMM.comは、希望者に対する返品・返金対応を行っている。問題発覚から、返金対応に至るまでの経緯はどのようなものだったのだろうか。
既報の通り、UPQ(東京都文京区)とDMM.com(東京都港区)が販売する4Kディスプレイについて、「120Hz」としていたリフレッシュレート(1秒間の画面書き換え回数)が実際は半分の「60Hz」であるという「誤表記」が判明した。
この問題に対し、UPQは4月12日午前11時までの購入者に「Amazonギフト券2000円分」をキャッシュバックする対応を取った。消費者庁表示対策課に相談した上で決めたことであるという。
一方で、DMM.comは4月12日以前に当該ディスプレイを購入した人を対象に、希望すれば返品・返金に応じる措置を取っている。
筆者は、同社に対して「誤表記」を認識した経緯や返品対応を取ることになったいきさつなどに関する質問を行った。それに対する回答が寄せられたので、文章を整えた上で掲載する。
誤表記認識は「3月10日」 ブロガーからの指摘で
―― 誤表記について、それを御社が認識したのはいつか。
DMM.com(以下「DMM」) 2017年3月10日だ。
―― その経緯はどのようなものか。
DMM 3月10日に見つけたとあるブロガー様のサイトにおけるディスプレイ製品評価記事の中で「カタログスペックと実測値が違う」旨の文章を載せていた。それを弊社の担当者が確認した事で発覚した(筆者注:当該のブログエントリーは2月中に書かれたものと思われる)。
その後、このことについて(ODM供給元である)UPQへ問い合わせ、改めて製品評価を行ったところ、リフレッシュレートが「60Hz」であることが判明した。
「ユーザーの不利益」を考慮し返品対応 公表前のユーザー申告は「なし」
―― 今回は希望者に対して返品に応じる対応を取った。その経緯はどのようなものか。
DMM 今回の誤表記に伴い、購入者が用途と異なる製品を購入してしまった可能性がある。また、弊社として最大限お客様の不利益にならないように熟慮した結果、返金という形を取ることになった。
―― リフレッシュレートの件を含めて、4月12日の公表前にユーザーから表示に関する申告はあったのか。あった場合はその件数を教えて頂きたい。
DMM 弊社コールセンターへ購入者からの直接の問い合わせはなかった。
製品仕様の決定はUPQ DMM社内では評価せず
―― 当該製品はUPQからのODM品だ。御社側でどの程度、仕様に関する要求をしたのか。
DMM UPQ社から当初に提示された製品仕様に対して、弊社側で仕入れの可否を判断した。よって、弊社側で特に仕様に対してリクエストはしていない。
また、上記についてUPQから提示された製品仕様には、リフレッシュレートが「120Hz」と記載されていた。
―― 開発過程、あるいは量産開始時に仕様通りの製品になっているのかどうか、御社側でチェックはしたのか。そこもある程度、UPQに委託していたのか。
DMM 製品仕様に関しては、書面上でのチェックにとどまっていた。実際の動作に関しても、弊社内で評価していなかった。
公表前までに約1万台出荷 返品台数は「非公表」
―― 本件の公表までに出荷した当該製品の台数と、公表後に返品された台数、あるいは返品率を教えていただきたい。
DMM 本件公表までに出荷した台数は約1万台となる。返品台数に関しては公表していないので、回答を控えさせていただく。
―― 「誤表記」に対する、再発防止策を教えてほしい。
DMM 今後、弊社ブランドを付して販売する商品については、社内に評価チームを組成し、入念なチェックの元に商品化の判断をしたいと思っている。
やりとりは以上となる。
リフレッシュレートの高さを買って商品を購入した人に対し、不利益にならないように配慮した結果、DMM.comは「希望者に対する返品」という措置に至ったようだ。
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