Intel、iPhoneのモデムをめぐるApple対Qualcommの特許紛争に参戦
iPhoneのモデムプロセッサをめぐるApple対Qualcommの特許紛争で、米国債貿易委員会(ITC)の求めに応じ、IntelがAppleをサポートする声明文を提出した。
米Intelは7月20日(現地時間)、米Qualcommが米Appleを特許侵害で提訴したことに関する声明文を米国際貿易委員会(ITC)に提出したとして、その声明文を公開した(リンク先はPDF)。
これは、QualcommがAppleが同社の特許を侵害しているとしてITCに申し立てたことに関し、ITCがIntelにコメントを求めたことを受けて提出したもの。
Qualcommは、Appleがスマートフォンのバッテリー持続時間を保ちながら高度な性能を発揮させるためのQualcommの6件の特許を侵害しているとし、ITCにiPhoneを含む複数の製品について米国への輸入を差し止める限定排除命令(LEO)を求めている。
Intelは声明文で「このねじれたプロセスは、Qualcommが競合を押さえつけ、競争を回避するために使ってきた多数の反競争的戦略の最新例にすぎない」と指摘する。
Appleは2011年からiPhoneでQualcommのLTEモデムチップを採用していたが、「iPhone 7」ではIntelのチップも採用した。
QualcommはAppleに対し、同社のLTEモデムだけを採用することを条件に、2011年から2016年まで報奨金を支払っていたことが米連邦取引委員会(FTC)の訴状で明らかになっている。
Intelは声明文で、Appleがこの条件を拒否したことでようやくAppleにチップを供給できるようになったと説明している。
「Qualcommの申し立ての目的は特許を侵害している(とQualcommが主張する)製品の米国からの締め出しではなく、Intelのモデムを米国から締め出すことだ」とIntelは主張する。
QualcommとAppleの紛争のこれまでの経緯については、以下の関連記事を参照されたい。
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