Intel、CPU統合GPUでマルウェアスキャンが可能に CPU負荷と消費電力を低減
米Intelはプロセッサのセキュリティ新技術「Threat Detection Technology」および「Security Essentials」を発表した。
米Intelは4月16日(現地時間)、同社製プロセッサの新たなセキュリティ技術「Threat Detection Technology(TDT)」および「Security Essentials」を発表した。
TDTは、「Accelerated Memory Scanning」と「Advanced Platform Telemetry」の2つで構成される。
Accelerated Memory ScanningはシステムメモリのマルウェアスキャンをCPUに統合されたグラフィックス機能(統合GPU)で実行する機能。これまではCPUで実行していたが、統合GPUを使うことで、より多くのスキャンが可能になるとともに、パフォーマンスや消費電力への影響を抑えられる。これにより、CPU使用率は従来の20%から最小で2%まで下がり、消費電力も下がる。Microsoftの「Windows Defender Advanced Threat Protection(ATP)」が同技術に対応する。
Advanced Platform Telemetryは、プラットフォームに備わった遠隔監視を行うテレメトリー機能と機械学習アルゴリズムを組み合わせることで、セキュリティ上の脅威の検出精度を向上しつつ、誤検出を減らしてパフォーマンスへの影響を最小化する。Cisco Systemsのデータセンター管理プラットフォーム「Cisco Tetration」が、これらの機能を活用する最初の製品になる予定だ。
Security Essentialsは、Core、Xeon、AtomといったIntelプロセッサ全体にわたって共通化されたハードウェアベースのセキュリティ機能群を提供するもの。セキュアブート、データや暗号鍵などを用いたハードウェア保護、暗号化、アプリケーション実行時における信頼された実行領域などの機能を提供する。
なお、今回のセキュリティ強化は、2017年1月に発表されたプロセッサ脆弱(ぜいじゃく)性の「Spectre」と「Meltdown」を解決するためのものではない。
関連記事
- IntelがノートPC向けで初の6コア「Core i9」発表 新施策の「Core i+」とは?
IntelがCoffee Lakeマイクロアーキテクチャ採用の「第8世代Core」プロセッサ新モデルを発表。ノートPC向けプロセッサでは初となる6コアの最上位モデルをはじめ、ノートPC向けとデスクトップPC向けのラインアップを拡充した。 - 「プロセッサ脆弱性」公表から1カ月 アップデートの不具合がさらなる混乱を招く
「Spectre」「Meltdown」と呼ばれるプロセッサの脆弱性が公になり1カ月が過ぎた。その間に情報提供や対策パッチの配布などが進んだが、アップデート自体の不具合やベンダーの対応の仕方が新たな混乱を招いている。 - 世間を騒がす「プロセッサ脆弱性」 何が本当の問題なのか
2018年の年明け早々、新たに発見されたプロセッサの脆弱性「Meltdown」「Spectre」に関して、さまざまな情報が飛び交い、一部では誤解や混乱を招いている。この問題の概要、影響や対策についてまとめた。 - Apple、プロセッサ脆弱性「Meltdown」と「Spectre」の対策について説明
Appleが、1月3日に発表されたプロセッサの脆弱性「Meltdown」と「Spectre」の対策について説明した。MeltdownについてはMac、iPhone、iPad、Apple TVでの「緩和策」をリリース済みで、Spectreについても近く緩和策をリリースする計画だ。 - スマートスピーカーやネット家電も攻撃対象に? 2017年版「最もハッキングされやすいギフト」 McAfee調べ
マカフィーは、ホリデーシーズンの人気商品に潜むセキュリティリスクを特定する「最もハッキングされやすいギフト」の調査結果を発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.