完成が迫るWindows 10「19H1」でのもう1つの変更点:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」
MicrosoftのWindows 10で次期大型アップデートとなる「19H1」(バージョン番号は1903)が間もなく配信開始になりそうだ。今回は、企業向けの大きな変更点を見ていこう。
Windows 10の次期大型アップデート「19H1」(バージョン番号は1903)が間もなく配信開始になるようだ。前回の記事では触れなかったが、もう1つアップデートに関して大きな変更がある。Microsoftは2018年に従来の「Current Branch」(CB)、「Current Branch for Business」(CBB)の代わりに「Semi-Annual Channel」(SAC:半期チャネル)の更新ポリシーを採用した。
SACは、通常版および「Targeted」と呼ばれる限定リリース(SAC-T)の2種類があり、SAC-Tが事前検証モデルとして機能する。例えば企業内の特定端末や部署を対象にSAC-Tに設定しておくと、Insider PreviewでのRTM(Release To Manufacturing)を経て配信が開始された大型アップデート(Microsoftでは「Feature Update:機能アップデート」などと呼んでいる)がSAC-Tに設定された端末に降ってくる。そして4カ月後にSACへの配信が開始されることになり、それまでにSAC-Tで必要な検証を済ませておくという手順になる。
だが、Microsoftが2019年2月に公式Blogで公開した文書によれば、19H1(1903)以降のバージョンではWindows Updateにおける「SAC-T」と「SAC」の選択オプションが廃止され、基本的に「SAC」のみの提供となる。
その代わり、Windows 10 ProやEnterpriseで提供されている大型アップデート適用の「30日延期」オプションに加え、新たに「60日」の追加が可能で、19H1(1903)のケースでいえば同アップデートの提供開始から最大で計90日の適用延長が行えるようになる。従来のSACの4カ月よりは短くなるものの、SAC-TとSACの位置付けが分かりにくかったのを改善したという認識なのだろう。
同社によれば、Office 365 ProPlusにおけるSAC-Tの適用は従来通り変化なく、Windows 10における運用での話題だという。また、Microsoft System Center 2019でのSAC-T廃止についても後日アナウンスされており、このルール変更に沿った形で運用を目指しているようだ。
とはいえ、通常で最大18カ月、Enterpriseユーザーなど一部組織を対象に最大30カ月というアップデート適用におけるサポート期間のポリシーに変化はなく、「多過ぎる」という一部で批判のある年2回更新というサイクルに直接手が加えられた訳ではない。基本ポリシーはそのままに、設定画面や細かいルール変更が行われたと覚えておけばいい。
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