Windows 10の大型アップデートが配信ポリシー変更、より安全快適を目指す:鈴木淳也の「Windowsフロントライン」(2/2 ページ)
次期Windows 10の大型アップデート「19H1」から配信ポリシーが変更され、名称も「Windows 10 May 2019 Update」となる。前回のトラブルを踏まえて、何が変わったのかを整理した。
問題は「サポート終了期限が近付いたタイミング」という部分だが、一般にコンシューマー向けのアップデート配信では「可能な限りすぐにアップデートを適用するのが望ましい」とされており、おそらく一般配信開始と同時に「Download and install」が出現すると予測している。
企業向け配信は開始から「18〜30カ月」の猶予期間があり、「Semi-Annual Channel(SAC)」の開始が配信スタートから4カ月後であることを考えれば、このSACの配信が開始されたタイミングから出現することになるのではないかと思われる。企業向けはポリシーによる設定次第の部分もあるが、おおよそこの期間内のいずれかのタイミングになるのではないだろうか。
そうなると、一般ユーザー向けでは「Download and install」がすぐに出現することになり、特に猶予期間の設定されていなかった「Windows 10 Home」が大きな問題となる。
Windows 10 Homeのアップデート猶予期間が正式に最大35日まで延長へ
そこで、先日話題になっていた「Windows 10 Homeのアップデート猶予期間が35日に延長される」といううわさが登場することになる。
Microsoftによれば、このオプションは全バージョンが対象となり、うわさが本当だったことが証明された。メリットは前述の通りだが、基本的なアップデート体験が全てのWindows 10で共通化されたことで、猶予期間に起因したトラブルが避けられるようになった点で大きな前進だ。
またアップデートに際して、活動時間中のアップデートを避ける「アクティブ時間」がユーザーの行動パターンから使いやすいタイミングに自動設定される仕組みの他、Windows UpdateやMicrosoft Storeのアプリアップデートが作業中のパフォーマンスに影響しないよう最適化が行われる機能の採用など、少しずつ改善が進んでいる。
まだまだ不明な点はあるものの、このあたりのアップデートポリシー変更や実際の動作について細かい情報が得られたら、改めてレポートしていきたい。
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