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「iTunes」がMacから消え去る理由 Windowsでは生き残る理由本田雅一のクロスオーバーデジタル(3/3 ページ)

米Appleの開発者向け会議「WWDC」が今年も開催。さまざまな話題が飛び出したが、本稿は「iTunesがなくなる」ことについて解説する(Mac Proの現地レポートも)。

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Mac Proは「本来の形」に回帰

 さて、WWDCの会場ではMac Proのハンズオンコーナーが設けられ、さまざまなデモを受けることができた。

 詳細なスペックや拡張性などはAppleのWebサイトに譲りたいが、「Power Mac G5」や初代「Mac Pro」をほうふつとさせる原点に戻った優れたアップデートだと感じる。

 最大限のエアフローを確保し、可能な限りの拡張性を備え、余裕のある電源を採用。内部は一貫してモジュール化した設計とし、拡張する場合でも、故障した場合でも、素早く修理、あるいは拡張が行える。

Mac Pro
WWDCの会場に設けられたハンズオンコーナー。右が新型の「Mac Pro」、左が32型6Kディスプレイの「Pro Display XDR」
Mac ProMac Pro Mac Proの前面(左)と背面(右)。特徴的な形状の吸気口が目を引く
Mac Pro
ボディー内部は、一貫してモジュール化した設計となった(基調講演より)

 一方、ディスプレイに関しては評価を保留したい。

 最大1000nitsまでの表示が可能で「Display P3」に対応。10万対1のコントラスト比を実現しているというが、このコントラスト比は直下型LEDバックライトを分割制御する技術(ローカルディミング)と組み合わせた結果出せるものだ。パネル単体のコントラスト比は、一般的なIPS液晶パネルと大差ないと考えられる。

 ハンズオンの会場では、動画は平均輝度の明るい映像が使われており、高輝度部の色彩感やピーク輝度の伸びは素晴らしく、白の面積が広い映像でもピークが下がらない。

 しかし静止画のデモでは「ハロ」と呼ばれる現象(暗い部分にも光が回って明部の輪郭がにじむ現象)が見られた他、ローカルディミングと連動した画素ごとのゲイン補正が入るタイミングにハッキリとしたラグがみられた。また高輝度画素の周辺では、暗部階調の色相ズレや色再現域が狭くなる様子がうかがえる。

 これらは液晶ディスプレイであることを考えれば当然のことで、静止画が動画よりもこれらの弱点が見えやすいことを考えれば、むしろ高品質だろう。ビデオ編集やHDRを活用した静止画撮影などでは十分ともいえる。

Pro Display XDR
新Mac Proに6KディスプレイのPro Display XDRを3台接続したハイエンドなビデオ編集環境のデモ

 なお、基調講演内ではソニーの4K液晶マスターモニターである「BVM-HX310」よりも優れているといった訴求もされていたが、全く用途が異なるものなので、比較対象にはならないことは留意しておきたい。

【訂正:2019年6月4日午後21時 初出でソニー製マスターモニターの製品名が誤っておりました。おわびして訂正いたします】

取材協力:アップルジャパン

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