ついに日本で発売 Apple「HomePod」を試して分かった“競合との違い”:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/4 ページ)
Apple初のスマートスピーカー「HomePod」がこの夏、ついに日本で発売される。テクノロジー製品である一方、オーディオ製品という感性に基づく製品でもあるHomePodが向いている場面、ユーザー像とは? 日本モデルの実機を試してみた。
Apple初のスマートスピーカー「HomePod」がこの夏、いよいよ日本でも発売される。米国での発売は2018年2月だったため、約1年半を経ての日本上陸だ。
スマートスピーカー市場を見渡すと、日本でも既に「Amazon Echo」や「Google Home」が発売されており、我が家にもこれらブランドの製品が幾つもある。厳密にはこれらのスマートスピーカーとは異なるが、ネットワークストリーミング対応スピーカーとしては、昨秋に日本に上陸した「Sonos」も注目製品だ。
そんな中でHomePodを選ぶ理由があるとすれば、何だろうか。
Apple製品ユーザーのための、最もシンプルに音楽へ近づける道具
単に音楽ストリーミングを楽しむ、あるいはネットラジオを聴く、天気やニュースを読み上げるといった用途ならば、何もHomePodを選ぶ必要はない。Amazonでも、Googleでも好きなサービスに対応したスマートスピーカーを選べばいいだけだ。
ブランドや価格のクラスによって音質が変化するのは、ある意味当然のことで、贔屓(ひいき)のオーディオブランドがあるならば、その会社がスマートスピーカーを発売しているかどうか、チェックすればいいだろう。
あるいはAppleの「AirPlay 2」に対応したオーディオ機器ならば、Apple製デバイスからの音声ストリーミングが行えるだけでなく、Appleのスマートホームプラットホーム「HomeKit」を用いて、音声アシスタント「Siri」との連動もできる。
例えば筆者が書斎で使っているネットワーク対応アンプ「Sonos Amp」は、「Amazon Alexa」や「Googleアシスタント」といった音声アシスタントに対応しており、それらのプラグイン(スキルなど)を通じて対応するオーディオサービスを追加できる。
また、Sonos自身が単体で多様な音楽ストリーミングサービスに対応しているため、「Apple Music」や「Spotify」などにデバイス自身がアクセスして音楽を鳴らせる。
加えて、SonosはHomeKitにも対応している。我が家ではSonos Ampに「オフィス」という名前を付けているため、「Hey Siri、オフィスでリラックスできる音楽をかけて」と話せば、部屋の中にある何らかのApple製デバイス(おおむねiPhone)が反応し、自動的に作成されたプレイリストがSonos Ampから奏でられる。
これは、例えばAlexaやAirPlay 2に対応するデノンのネットワークオーディオプラットホーム「HEOS」などでも同じであり、類似する製品は世の中に多数ある。
いろいろなスマートスピーカーと、それを取り巻く製品がある中、自分の用途に合ったものを適切に選び、設定する知識があれば、さまざまな使い方ができ、選択肢の幅は広い。
では、HomePodの存在意義とは何だろうか。
それは、Apple製品のユーザーがリビングや書斎などで、最もシンプルに音楽に近づき、楽しむためのソリューションということだ。
HomePodには設定すべき項目が少なく、ほとんど“おまかせ”で使える。選べる音楽ストリーミングサービスは限られている(Apple Musicに加え、秋以降は「TuneIn Radio」が利用できる)上、ペアリングできるデバイスはiPhoneかiPadに限られ、ホームオートメーションシステムはHomeKitしかサポートしない。
しかし、それ故に設置してペアリングするだけで、スピーカーにつきもののセッティングに配慮しなくとも、かなり良質の音質で音楽を楽しめる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.