Intelが「第10世代Coreプロセッサ(Comet Lake)」を発表 まずモバイル向け製品から:命名規則は従来通り
「第10世代Coreプロセッサ」のモバイル向けラインアップが追加発表された。先行発表されたモデルとは異なる「Comet Lake(コメットレイク)」というアーキテクチャを採用している。
Intelは8月21日(米国太平洋夏時間)、モバイルPC向け「第10世代Coreプロセッサ」(開発コードネーム:Comet Lake)」のラインアップを発表した。省電力設計の「Uプロセッサ」を4モデル、超省電力設計の「Yプロセッサ」を4モデル用意し、8月1日(同)に発表された「Ice Lake」アーキテクチャのプロセッサと合わせて、2019年末までに90を超える搭載製品が登場する予定だ。
Comet Lakeの特徴
今回発表されるプロセッサ群は「Comet Lake(コメットレイク)」というアーキテクチャを採用している。
Comet Lakeプロセッサは14nmプロセスで製造されており、今回発表されたラインアップでは最大で「6コア12スレッド」のモデルが用意されている。メインメモリはUプロセッサがLPDDR4x-2933、DDR4-2666とLPDDR3-2133を、YプロセッサがLPDDR3-2133をサポートしている。
Thunderbolt 3とWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)の標準サポート、モダンスタンバイや音声エージェントへの対応強化、プロセッサのパフォーマンスを自動最適化する「Intel Adaptix Technology」への対応は、Ice Lakeアーキテクチャのプロセッサと同様だ。
モデル名規則は第9世代までと同様(桁数は増加)
プロセッサの命名規則は、Ice Lakeアーキテクチャの製品とは異なる。例えば、今回の新製品における最上位モデルは「Core i7-10710U」という名称。「Core i7-」より後ろの数字やアルファベットは、以下のような意味を持つ。
- 10(一万の位と千の位):CPUの世代(第10世代)
- 710(百の位から1の位まで):CPUのSKU(受発注上の区分番号)
- U:プロセッサの種別
世代が2桁になったことに伴い、数字部分が5桁に増えたこと以外は第9世代までと同じ規則となっている。
第10世代プロセッサのモデル名規則。Ice Lakeアーキテクチャ(左)では従来とは少し異なる規則を採用しているが、Comet Lakeアーキテクチャ(右)では数字の桁が増えたこと以外は従来と同じ規則となっている
Uプロセッサのラインアップ
モバイルPC向けメインストリームとなるUプロセッサのラインアップは以下の通り。TDP(熱設計電力)は15W(通常)〜25W(最大)となる。最大稼働周波数が2つ記載されている場合は、前者がシングルコア、後者がマルチコアのものとなる。
- Core i3-10110U(2.1G〜4.1G/3.7GHz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)
- Core i5-10210U(1.6G〜4.2G/3.9GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)
- Core i7-10510U(1.8G〜4.9G/4.3GHz、4コア8スレッド、8MBキャッシュ)
- Core i7-10710U(1.1G〜4.7G/3.9GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
Yプロセッサのラインアップ
超省電力なモバイルPC向けのYプロセッサのラインアップは以下の通り。TDPは4.5Wまたは5.5W(最小)〜7W(通常)〜9W(最大)となる。最大稼働周波数が2つ記載されている場合は、前者がシングルコア、後者がマルチコアのものとなる。末尾に「★」を付けたモデルは、最小TDPが4.5Wとなる。
- Core i3-10110Y(1G〜4G/3.7GHz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)
- Core i5-10210Y (1G〜4G/2.7GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)★
- Core i5-10310Y(1.1G〜4.1G/2.8GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)
- Core i7-10510Y (1.2G〜4.5G/3.2GHz、4コア8スレッド、8MBキャッシュ)★
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