PC界の“ワークマン”GPD MicroPCの「立って使う幸せ」を考察する:立ち姿勢で使えるPC(2/2 ページ)
6型〜8型クラスの液晶ディスプレイを搭載した、超小型PCの選択肢が増えている。本特集ではそれらの使い勝手を細かく見ていく。今回は、シリアルポートを備え両手入力に特化した「GPD MicroPC」を取り上げる。
本当のワークマシンに「タッチパネルはいらない」
立ち姿勢でPCを使うとき、使い勝手に影響するもう1つの要素がディスプレイの開く角度だ。GPD MicroPCでは、ここに少し問題がある。
立ち姿勢でPCを使う場合、PCの位置は(特に意識をしないと)腕は伸ばしきる直前の状態で“へそ”の高さにくる。この状態で手首を自然な向きにすると、ディスプレイを最も開いた状態(実測で147度)でもユーザーに対してちょっとだけ下向く。
ディスプレイをユーザーに正対させるには、手首を向こう側に少し倒した向きにするか、腕を直角近くまで曲げてPCの位置を胸に位置まで上げる(こうすると手首は自然な角度でディスプレイがユーザーに正対する)必要がある。幸いにしてディスプレイの視野角が178度と広いので下を向いていても視認性にはさほど問題はない。ディスプレイについては、屋外で使う場合に他に大きな問題があるのだが、それについては別記事にて考察する。
なお、GPD MicroPCのディスプレイサイズは6型と小さく、少しでも顔の近くに本体を持ってこないと文字を視認できないのでないかと心配するユーザーも少なくないと思う。ただ、解像度が1280×720ピクセルに抑えている(分をわきまえているといってもいい)こともあってディスプレイ設定の表示スケールは初期状態で100%にもかかわらず視認性は高い。WebブラウザのEdgeでPC USERの記事を表示したところ、記事本文のフォントサイズは2バイト文字(「国」で測定)で実測約1.5mmだった。
また、最近のハンディーデバイスとしては珍しくタッチパネルを組み込んでいない。しかし、これもGPD MicroPCの「立ち作業で本体を両手で持ち、物理キーボードとポインティングデバイスを親指で操作する」という特性を考えたとき、タッチパネルは不要になる。
実際、使用しているとキーボードとタッチパッドを操作する分には親指だけで快適だが、(スマートフォンのクセで)ディスプレイまで指を伸ばそうとしたとたんに、無理な指の動きとなってしまう。キーボードとタッチパッドの使い勝手が良好なので、画面に触れようという気もなくなったのは事実だ。
特定用途、しかも汎用利用ではなくフィールドワークで現場作業における状況確認端末としての利用を想定したGPD MicroPCゆえに、パフォーマンスを抑えるハードウェア構成となっている。CPUはCeleron N4100(4コア4スレッド、1.1GHz〜2.4GHz、スマートキャッシュ4MB)で、システムメモリは8GB(LPDR4)を搭載する。ストレージはSerial ATA接続のSSDで容量は128GBだ(M.2タイプ)だ。
CPUは非力だしパフォーマンスを求めるデバイスではないので問題はないのだが、以下にベンチマークテストのスコアを掲載する。
GPD MicroPCはそのサイズと重さ、キーボードとポインティングデバイスの作りなど、立ち姿勢で使う端末としては、すこぶる使えるデバイスになっている。では、現場に出て使ってみた場合、その実力はどうなのか。次回はそのあたりを実際に屋外で使って考察する。
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