Windows 10Xのリリース時期は? 最新事情と「Windows 10 2004」の謎を探る:Windowsフロントライン(2/2 ページ)
今回は、Microsoftが2020年に発売を予定している2画面デバイス「Surface Neo」に採用されるOS「Windows 10X」を巡る最新情報と、Windows 10の命名ルールについてチェックする。
Windows 10Xのリリース時期を予想する
以前の記事で「Windows 10XはWindows 10の『20H1』がベースとなり、搭載デバイスの登場は2020年のホリデーシーズンだが、OSそのものは比較的早い時期に登場する」と予想していた。だが実際のところ、その次のバージョンとなる「20H2」が採用できないのは完全に時期的な問題で、OSそのものも、また2020年のやや遅いタイミングでのリリースになるのではと考えている。
その理由の1つが、11月26日にWindows Insider Program参加者のFast RingとSlow Ringユーザー向けにリリースされたWindows 10 Insider Previewの「Build 19033」だ。同ビルドのリリースにおいて公式Blogでは、下記のように触れている。
Eagle-eyed Windows Insiders will notice that that as of this build, 20H1 officially shows it is version 2004. We have chosen to use 2004 as the version to eliminate confusion with any past product names (such as Windows Server 2003).
従来のWindows 10を区別するバージョン名の命名法則では、春期にリリースされるものが「xx03」(xxの部分はリリース年の下2桁)、秋期にリリースされるものが「xx09」(xxの部分はリリース年の下2桁)となっていた。
これに則れば「20H1」は「2003」となるのが通例だが、今回公式にバージョン番号は「2004」とされ、バージョン番号を含めた製品名も「Windows 10 2004」とよく分からない表記になった。Microsoftによれば「Windows Server 2003などとの混同を防ぐため」と説明しているが、単純にリリースサイクルが後ろにずれ始めており、2018年は「April 2018 Update」と「October 2018 Update」という組み合わせだったのが、2019年は「May 2019 Update」と「November 2019 Update」になっている。
「November 2019 Update」の一般向けリリース時期も11月半ばであり、これではホリデーシーズン商戦向けのデバイスへのプリインストールは間に合わない。バージョン名の命名規則を変更したのも、実情に合わせたという側面が強いだろう。
「Manganese」という内部開発コード名で呼ばれる「20H1」こと「バージョン2004」だが、この状況を鑑みれば一般向けリリースの時期は2020年5月のいずれかの時期だと予想される。
一方で、「20H2」は「バージョン2010」になることが見込まれ(これこそ混同を呼びそうだが……)、リリース時期は同年11月のいずれかだろう。やはりホリデーシーズンをターゲットとするのには遅すぎ、ホリデーシーズンに登場する2画面Surface向けのWindows 10Xとしては「20H1」をベースとするしかないのではないだろうか。
そもそもWindows 10Xが一般向けに提供されるのかという問題も含め、関連APIの提供から搭載デバイスの登場まで、かなり長いリードタイムをもってリリースされることになるだろう。
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