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サーバ障害から企業を救う”最後の砦”――IT企業の大型サーバ復旧の裏側に迫る(2/2 ページ)

大切な企業データの入ったサーバが障害でアクセスできない――そんな一大事に、サーバの管理担当者はどのような行動を取るべきなのか。データ復旧において、累積で18万件超の相談を受け、最高復旧率95.2%(いずれも自社調べ)の実績を持つ「デジタルデータリカバリー」のエンジニアにサーバ復旧に関する意見を聞いてみた。

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データ復旧サービスを選ぶ際に何を基準にするべきか

 ここまで、トップエンジニアの皆さんにサーバのデータ復旧について実情を語ってもらった。しかし、冒頭でも述べたように、データ復旧サービスの品質は比較することが難しい。それを率直にお伝えしたところ、デジタルデータリカバリーの「復旧ラボ」を見学することになった。エンジニアの皆さんは私たちを案内しつつ、データ復旧サービスを選ぶ際のポイントを教えてくれた。

セキュリティは大丈夫か?

 復旧ラボに入る際には、「セキュリティゲート」をくぐらなければならない。復旧対象のデータには、個人情報が含まれることも珍しくない。大量の顧客データを扱うということもあり、入念なセキュリティ対策をしているようだ。

 データ復旧サービスを選ぶ際に、「セキュリティ」はどうなっているのか、必ず確認しておきたい。

セキュリティゲート
復旧ラボの入口にはセキュリティゲートがある。警備員も常駐しており、記憶媒体の持ち込みや持ち出しのないように入念なチェックを受ける

復旧にどのくらいの時間を要するか?

 セキュリティゲートをくぐった後、目に入るのが大量の「ドナーHDD」だ。HDDに物理的な破損があった場合に用いるもので、常時7000台以上もの在庫を確保しているという。

 規模の小さい復旧業者では、問い合わせを受けてHDD情報を調べてから、ドナーHDDを発注するケースが多い。HDDは型番が同じでも、リビジョン(バージョン)が変わると使用部品やファームウェア(HDDの制御プログラム)が異なる場合があるため、適切なリビジョンのものを調達する必要があるからだ。

 しかし、それでは復旧は確実に遅れてしまう。データ復旧では、緊急の問い合わせも少なくない。より迅速に対応できるようにするために、デジタルデータリカバリーではここまで多くのドナーHDDを取りそろえているという。

 復旧にどれぐらいの時間がかかるのかということも、データ復旧サービスを選ぶ上で確認しておきたいポイントといえる。

ドナーHDD
復旧のための部品取りとして用いられるドナーHDDは常時7000台を在庫。写っているのはその一部だ

復旧率や復旧実績をハッキリと示しているか?

 さらに進むと、HDDを耳にあてて作業しているエンジニアが目に入る。これは「初期診断」をしているのだという。どのような障害が発生しているのか、HDDの駆動音とファームウェアの破損状況から判断しているそうだ。

 これはデータ復旧の職人だからこそなせる“ワザ”であり、「障害の原因が分からなければまず相談してほしい」というのも納得である。

 ちなみに、正確な初期診断もあってか、デジタルデータリカバリーのデータ復旧率の最高値は95.2%(※2)だという。技術力の判断が難しいデータ復旧ではあるが、復旧の実績や成功率などをハッキリと示しているかどうかも、しっかりとチェックしておきたい。

(※2)2017年12月から2018年11月の月別復旧率の最高値(詳しくはこちら

音を聞いている所
初期診断の様子。HDDの駆動音とファームウェアの状態から障害を切り分けるという

復旧用の設備はしっかりしているか?

 復旧エリアの奥には、物理障害と診断されたHDDを修理するための「クリーンルーム」が設置されている。洗浄度は、米国のクリーンルームに関する規格「FED-STD-209D」において“クラス100”に相当する。HDDの組み立て工場や手術室と同レベルの高い洗浄度だ。

 このクリーンルーム内で、破損した「磁気ヘッド」の交換や「プラッタ」(データを記録している円盤)の修復が行われる。中でも、プラッタに傷がついた「スクラッチ障害」といわれる状態からデータを復旧できる業者は、世界的に見てもわずかであるという。

 技術力はもちろんであるが、復旧用の設備も見逃してはならないポイントだろう。ちなみに、デジタルデータリカバリーの復旧ラボは公開されており、見学もできる。

 井瀧氏は、「このように実際の作業現場をオープンにしている業者は非常にまれです。窓口だけを設けて、実作業は海外の業者に外注することも少なくありません。お客さまに安心してご依頼いただけるように、我々は作業現場をご案内しております」と語る。

クリーンルーム
復旧ラボ内に設置されたクラス100のクリーンルーム。中では物理障害専門のエンジニアがHDDを開封し、復旧作業に取り組んでいる

大切なデータを守るために

 現代社会は、身の回りの全てにおいて“デジタル化”が進行している。写真、動画、日記――人生の記録や思い出の全てはデジタルデータとして保存されているといっても過言ではない。

 それは企業でも同様だ。デジタルデータは会社の財産そのもので、失ってはならないもの。顧客のデータを預かるような企業ならなおさらのことで、データの消失は企業の存続にも関わる。

 消失を避けるためにデータのバックアップ体制を整えることは当然で、デジタルデータリカバリーのようなデータ復旧サービスの“お世話”にならないことがベストでもある。しかし、起きてほしくないことが起こってしまったそのときに、デジタルデータリカバリーの存在が頭の片隅にでもあれば、最悪の結果は避けられるかもしれない。

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提供:デジタルデータソリューション株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2020年3月29日

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