165Hzで「量子ドット」採用のゲーミングディスプレイ「KIG270QD」の実力は?:ゲーミングディスプレイの道(1/3 ページ)
高速なリフレッシュレートは、eSportsだけでなく普段のPC使いにおいても実は有用だ。165Hzで量子ドット技術を採用した恵安の27型液晶ディスプレイ「KIG270QD」をチェックした。
昨今、PCだけでなく、その関連製品にも「ゲーミング」を頭に付けて語られるモデルが多くなっている。ゲーミングキーボード、ゲーミングマウス、ゲーミングチェア、ゲーミングヘッドセットなどなどだ。今回レビューするゲーミング液晶ディスプレイ「KIG270QD」も、その一環でくくることができる。
eSportsの世界では、コンマ数秒の差でプレイに決着が付くことも多く、それだけ利用しているデバイスは重要だし、そういう早い速度の反応に追いついていかなければ、ゲームプレイに採用されない。だからこそ“ゲーミング”が名称に付く製品は高性能だと思い描くし、“プロの使用にも耐える製品なんだ”と安心して、購入を促すことがあるだろう。実際、ゲーミングデバイスは高性能なものが多く、使っていて“切れ味”が異なると感じるケースが多い。
量子ドット技術とは?
恵安から2月4日に発売されたKIG270QDは、フルHD(1920×1080ピクセル)表示に対応した27型のゲーミング液晶ディスプレイだ。本製品の兄弟モデルとして23.8型の「KIG240QD」、2560×1440ピクセル表示対応の31.5型モデル「KIG320QD」があるが、このいずれのモデルにも採用されているのが、量子ドット技術だ。
パネルの表示方式は液晶とか有機EL(OLED)とかいう文字が付いているディスプレイが一般的だが、本機の場合は前者に属する「量子ドット」技術が採用されている。ディスプレイに使われている液晶へ入射してきた光を量子ドットが吸収して新しい光子を放出、別の色に変化させることで映像を映している。この色の変換が高効率(ナノメートル単位で量子ドットにて色を調整)で行えるのがポイントで、恵安はKIG270QD(とその兄弟モデル)について、sRGBやAdobe RGBの色カバー率も97%と色域が広く、美しい映像を表示できるとしている。
なお、本製品はVA方式のパネルを採用し、上下/左右ともに約178度の広視野角を実現する他、ノングレア処理が施されており、画面への映り込みが少ない。また、最大輝度は300カンデラ平方メートルながらHDRにも対応する。コントラスト比は4000:1だ。
スリムボディーで高速な応答速度とFreeSync対応で快適
本製品を手にしてまず驚いたのが、その薄さだ。背面上部の厚みは約8mmとかなり薄い。左右と上下のベゼル幅も約3mmなので、表示エリアの見かけがかなり大きい印象だ。電源オフの状態だとほとんどベゼルが見えず、液晶ディスプレイそのままが本体に張り付いているようにも見える。
スタンドを含むボディーサイズは、約614(幅)×193(奥行き)×436(高さ)mmと、ベゼル幅が狭いこともあってコンパクトな印象を受ける。スタンドを含めた重量は約4.35kgなので、安定した設置が可能だ。
なお液晶ディスプレイはチルト機能があり、約-5度〜20度まで角度を調節できる。ただしディスプレイ自体を上下に動かすことができないのは少々残念だ。
入出力ポートは本体中央下にあり、コード類は下向きで取り付けることになる。ポートには左からACアダプター、HDCP 1.4に対応したHDMI端子を2基(うち1基はHDMI 2.0対応)、DisplayPort 1.2対応端子、3.5mmジャックの音声出力端子が並んでいる。ステレオスピーカーは背面下部に配置される。背面には100×100mmのVESAマウント用のネジ穴も開いているので、ディスプレイアームを使ったり、壁に固定したりすることができる。
続いて、本製品の特徴を見ていこう。
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