いろいろなデバイスでThinkPadの快適タイプを実現! 「ThinkPad トラックポイント キーボード II」に感激した(3/3 ページ)
ThinkPadのキーボードユニットを切り出した外付けキーボードが、約7年ぶりにモデルチェンジした。発売に先立って、その打ちごこちを試してみたのでここに報告する。
ここで再考したい「TrackPoint」のメリット
……と、ここまで書いてきて「そもそも、今のユーザーはTrackPointの利点を知っているのだろうか?」という疑問が出てくる。
ThinkPadユーザーにとって、TrackPointは必須アイテムだ(単なる「デザイン的アクセント」としてだけ評価しているわけではない)。「TrackPointのないPC(≒ThinkPad以外のPC)は選択肢に入らない」という人もいるほどだ。
一方、ThinkPadを使ったことのない人、あるいは試しに使ってみた程度の人にとって、TrackPointは「使い方がよく分からないデバイス」だったり、「ちょっと使ってみたけれど、うまく使えないデバイス」という認識を持たれているかもしれない。ThinkPadもパームレストにタッチパッドを備えて久しいことが、その証左ともいえる。
タッチパッドやマウスと比べて、TrackPointはポインティングデバイスとして何が優れているのだろうか。ものぐさな所から説明すると、TrackPointはキーボードのホームポジションに手を置いたまま、手をほぼ動かすことなくマウス操作できることが大きなメリットだ。
マウスは手をマウスまで動さかなければ操作できない上、マウスにおいた手を上下左右と動かさなければならない。タッチパッドなら「手をホームポジションにおいたまま、両手の親指で操作できるかな?」と思うかもしれないが、実用的な精度で使おうと思ったら、人差し指がタッチパッドに届くよう手のひらをずらさなければならない上、タッチパッドに置いた指を上下左右に動かさなければならない。どちらにしても面倒なこと、この上ない。
「それぐらい面倒でもないし、疲れるわけがない!」という心身が健全な人でも、作業の持続性という視点で考えたとき、文章を入力している(それも気分が乗って調子よく)途中で、マウスカーソルを動かすためにマウスやタッチパッドに手を動かすというアクションを取った途端に、それまで続けていた作業のリズムが途切れてしまう。何気ないことのように思えるが、これは作業面で結構大きな影響を与える。
ホームポジションからほぼ手を動かすことなくポインティングデバイスを使えるTrackPointなら、この「リズム」を乱すことなく作業を継続できる。
現在のThinkPadは、TrackPointに加えてタッチパッドも備えている(以前はこのコンビネーションを「UltraNav」と呼んでいた)。しかし、タッチパッド部分を“無効化”してTrackPointしか使わないコテコテのThinkPadユーザーもいる(編集者撮影)
さらに加えていうならば、TrackPointはスティックに伝えた物理的な力でマウスカーソルを操作する。そのため、常に一定した操作精度を発揮する。指先の状態によって操作精度が左右されてしまうタッチパッドと比べると、これもTrackPointのアドバンテージといえるだろう。
膝の上や限られたスペースの卓上で使うことが多い外出時はもちろん、据え置き利用でも資料書籍、文具、そして、マグカップに食べかけのカップラーメンなどなど種々雑多な机の上での利用でも、マウスを使うためのスペースを確保せずに済むことは言うまでもない。
赤いキャップを取り外すと、TrackPoint本体が見える。この四角い柱で押された力を基板側センサーに伝えてマウスカーソルを動かす距離とスピードを決めている。純粋に「力仕事」なので、肌が乾いていようと湿っていようと安定したマウスカーソル操作が可能だ
以上、「TrackPointは最高なポインティングデバイスの1つじゃーん」と力を込めて説明してきたが、このTrackPointがデスクトップPCでもAndroidデバイスでも使えてしまうTTPK IIは「最高な外付けキーボードの1つじゃーん」と言ってしまってもいいだろう。
なお、「さすがにノートPCでは使えないよね」と思うかもしれないが、キーボードレイアウトに制約のある超小型PC(UMPC)と組み合わせて、「設置スペース的に許されるなら、PC本体はテントモードにしてキーボードはTTPK IIを使う」という場面も十分あり、と思う実例があったことを最後に付け加えておきたい。
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