PC-8001を“本当のPC”として使う
ここまで紹介してきた通り、筆者のように当時日本電気のPC-8001が欲しくても買えなかった人や、その当時を懐かしむ人にとっては、本機はかなりその要望に応えるできだと思う。
本家のPC-8001にはN-BASICが搭載されているのはご存じだと思うが、実際にBASICのコマンドを入力して動かせるだけでなく、カセットテープなどにプログラムが保存されていれば、それをWAV音源にして読み込ませ、動作させることも可能だ。
ただしプログラムを持っていたり、カセットテープで保存していたりするというケースはほとんどないかもしれない。筆者はPC-8001ではなく、PC-8001mkIIの方を所有していたことがあるが、当時作ったプログラムファイルなどは失っていて何もできない。
また、収録されたゲームを遊んでいるだけだといずれ飽きてしまい、お蔵入りとなることがあるかもしれない。しかし税込み2万7280円もする本機を活用できないというのも面白くない。
そこで提案したいのが、Raspberry Piとしての活用だ。PC-8001に搭載されているのは「Raspberry Pi Zero」で、Raspberry Pi OS上でエミュレーターが動作しているというものだ。つまり、microSDカードにRaspberry Pi OSをインストールして使えば、いろいろなことができるというわけだ。USBポートにキーボードをつなげれば、まさにPC-8001をいじっている気分がより楽しめるだろう。
ただし、Raspberry Pi Zeroは最新の「Raspberry Pi 4」などとは異なりCPUが非力(Broadcom BCM2835 1.0GHz)なので、Windowsのようなデスクトップを表示させて使うのはかなり厳しい。しかしコンソールからのコマンドライン入力であれば十分に動作できるので、Pythonでプログラムを書いて動作させたり、気温や湿度センサーを取り付けてモニターしたりすることも可能だ。
手前みそだがITmedia NEWSで筆者が担当するラズパイ関連の連載もあるので、参考にしていただければと思う。
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