2〜3年間は最前線で戦えるスペック マウスコンピューターの超ハイエンドゲーミングPC「G-Tune EP-Z」を試す:GeForce RTX 3080搭載(3/3 ページ)
マウスコンピューターが「G-Tune」ブランドからGeForce RTX 30シリーズを搭載するゲーミングデスクトップPCを発売した。今回は、その中でもハイエンドに位置する「G-Tune EP-Z」を全力でレビューする。
3DMark
続けて、3Dグラフィックスの性能を計測するベンチマークアプリ「3DMark」を試してみよう。
始めに、DirectX 11ベースの「Fire Strike」、画面解像度をWQHD(2560×1440ピクセル)に引き上げて負荷を高めた「Fire Strike Extreme」、画面解像度を4K(3840×2160ピクセル)に引き上げて一層負荷を高めた「Fire Strike Ultra」を続けて実行した。結果は以下の通りだ。
- Fire Strike:2万9900
- Fire Strike Extreme:1万9049
- Fire Strike Ultra:1万0581
これらのスコアは、ゲーミングPCとしては非常に高い。さすがはGeForce RTX 3080といったところか。
続けて、DirectX 12ベースの「Time Spy」と、描画解像度をWQHDに引き上げて負荷を高めた「Time Spy Extreme」を続けて実行した。結果は以下の通りだ。
- Time Spy:1万5374
- Time Spy Extreme:7662
これらのスコアも、ゲーミングPCとしては非常に高い。Time Spyの「Graphics test 1」と「Graphics test 2」では、フレームレートが100fps前後まで上昇している。現時点においてこれだけのフレームレートを出せるGPUは、現状ではGeForce RTX 3080、あるいはこれから登場するGeForce RTX 3090ぐらいだろう。
実際のゲームと比べると、3DMarkのテストは非常に負荷が高い傾向にある。しかし、Time SpyのGraphics test 1のフレームレートを見る限りは、どの解像度でも描画のカクつきは少なく、快適に3Dゲームを楽しめそうだ。
GeForce RTX 3080の採用は、ハイエンドな3Dゲームを楽しむ上で“効果てきめん”といえる。
FF14ベンチマーク
実際のゲームをベースにしたベンチマークアプリのスコアも確認してみよう。
まずは「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」だ。画質は最高品質、表示はフルスクリーンとして、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)で計測を行った。結果は以下の通りだ。
- フルHD:2万1237(非常に快適)
- WQHD:1万8694(非常に快適)
- 4K:1万4215(非常に快適)
全ての解像度で快適さの指標の最高判定となる「非常に快適」を獲得できた。本作のようなMMORPG系のタイトルや競技系FPSタイトルは、それほど負荷が高くならないよう設計されているものが多い。フルHDではフレームレートが高くなりすぎるので、144Hz以上のハイリフレッシュレート液晶ディスプレイと組み合わせなければ本来の実力を発揮しにくいだろう。
逆に、4Kのような高解像度で平均フレームレート60fps以上を狙うなら、EP-ZのようなハイエンドBTO PCは強い味方になる。
FF15ベンチマーク
続いて、ゲームベースのベンチマークアプリの中でも特に負荷が重いものの1つである「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」のスコアを確認しよう。解像度を含む設定はFF14ベンチマークと同様としている。結果は以下の通りだ。
- フルHD:1万2869(非常に快適)
- WQHD:1万1765(とても快適)
- 4K:7494(快適)
画質は最高設定の「高品質」を選択したが、いずれの解像度でも快適なプレイが期待できる。
このベンチマークアプリの4K解像度設定の負荷の高さは屈指のものだ。しかし、さすがに「最低でも60fps超」とは行かないものの、描画のカク付きはほとんど見られない。シングルプレイの高負荷タイトルに関しては、GeForce RTX 3080の本領を発揮しやすそうだ。
リアルタイムレイトレーシング(DXR)のテスト
GeForce RTX 30シリーズのGPUは、リアルタイムレイトレーシング(DXR)を有効にした際のパフォーマンスも従来製品から大幅に向上している。どれくらいの実力を発揮するのか、ベンチマークアプリで確認してみよう。
まず、先にも登場した3DMarkで、DXRテスト「Port Royal」を実行してみた。総合スコアは1万975で、テスト中の平均フレームレートは50.81fpsとなった。
従来のGeForce RTX 20シリーズでは、フレームレートが平均30fps程度だったことを考えると大きな進歩といえる。DXR処理が重めのゲームであっても、GeForce RTX 3080であればそこそこ高めのフレームレートを期待できそうだ。
続けて、実ゲームベースのベンチマークアプリ「Boundary: Raytracing Benchmark(Boundaryベンチマーク)」を実行してみよう。このアプリでは、その名の通りレイトレーシングのパフォーマンスをチェックできる。深層(機械)学習を使ったスーパーサンプリング効果によりフレームレートを向上させる「DLSS」機能のテストも行える。
今回は画質を極力維持する「Quality」設定で、3つの解像度(フルHD、WQHD、4K)における平均フレームレートを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD:平均103.6fps
- WQHD:平均68.9fps
- 4K:平均34.5fps
画質を優先する設定にすると、DLSSを使ってもDXR処理の負荷は非常に重くなる。特に4K環境ではGeForce RTX 3080未満のGPUはほとんど使い物にならないレベルのフレームレートになるだろう。
レイトレーシングでリッチな描画を体感したいコアゲーマーにとって、GeForce RTX 30シリーズを搭載するPCは、最も優れた選択肢となることは間違いない。
画質設定を気にせずあらゆるゲームを楽しめる
ここまで見てきた通り、G-Tune EP-Zの性能は極めて高い。メモリやストレージも含めて、標準構成でも欠点らしい欠点が見当たらない。古いPCから思い切って買い換える場合の候補としてはもちろん、「とにかく高性能なゲーミング/クリエイティブPCが欲しいけれど、ハードウェアに対する知識がなくて……」というユーザーにもお勧めできる。
強いて弱点を挙げるとしたら、その価格だろう。先述の通り、標準構成でも29万9800円と値はかなり張るが、これだけの性能を備えたゲーミングPCとしてコストパフォーマンスは十分に高い。何1つ不自由のない、とても快適なPCゲームライフを向こう2〜3年は満喫できるスペックは備えている。
あらゆるPCゲームで画質設定を気にしたくないようなコアゲーマーにとって、G-Tune EP-Zは有力な選択肢の1つだ。
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