Intelがデスクトップ向け「第11世代Coreプロセッサ」(Rocket Lake-S)を発表 クロック当たりの性能向上+AI処理を強化:Core i3は第10世代で据え置き(2/2 ページ)
「Rocket Lake」ことデスクトップ向けの第11世代Coreプロセッサのラインアップが発表された。モバイル向けの「Tiger Lake」に搭載された要素技術を反映することでパフォーマンスを向上したことが特徴だ。一方、Core i3とPentium Goldについては第10世代(開発コード名:Comet Lake)のまま据え置かれることになった。
Rocket Lake-Sは「Core i5」以上
記事執筆時点において、Rocket Lake-Sは「Core i5」以上のクラスに投入される。具体的なラインアップは以下の通りとなる。ブースト(最高)クロックの記載は、当該CPUが備える機能を最大限活用した場合の前の数値が1コア時、後ろの数値が全コア時のものとする。
モデル名、TDP(熱設計電力)と最高クロックの記載について
CPUのモデル名末尾にあるアルファベットは以下の意味を持つ。
- K:アンロック(CPUのクロック倍率の変更)に対応
- F:内蔵GPU非搭載(別途GPUが必要)
- T:省電力モデル(通常モデルよりも発熱が少ない)
Rocket Lake-SとComet Lake-SのTDP(熱設計電力)は、以下のように設定されている。
- Kの付くCPU:125W
- Tの付くCPU:35W
- その他:65W
ブースト(最高)クロックの記載は、当該プロセッサの備えるブースト機能を最大限利用した場合の値とし、前段にはシングルコア時、後段にはマルチコア時のものを表記する。
Core i5プロセッサ
GPU内蔵モデルのうち、「★」が付いているものはUHD Graphics 730を、付いていないものはUHD Graphics 750を搭載している。米国における1000個発注時の参考価格は157〜262ドル(約1万7000〜2万8600円)となる。
- Core i5-11400(2.6GHz〜4.4GHz/4.2GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)★
- Core i5-11400F(2.6GHz〜4.4GHz/4.2GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
- Core i5-11400T(1.3GHz〜3.7GHz/3.3GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)★
- Core i5-11500(2.7GHz〜4.6GHz/4.2GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
- Core i5-11500T(1.5GHz〜3.9GHz/3.4GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
- Core i5-11600(2.8GHz〜4.8GHz/4.3GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
- Core i5-11600K(3.9GHz〜4.9GHz/4.6GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
- Core i5-11600KF(3.9GHz〜4.9GHz/4.6GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
- Core i5-11600T(1.7GHz〜4.1GHz/3.5GHz、6コア12スレッド、12MBキャッシュ)
Core i7プロセッサ
Core i7プロセッサは、ブースト耐性の一番高いコアのブーストクロックを100MHz引き上げる「Intel Turbo Boost Max Technology 3.0(TBT 3.0)」に対応している。GPU内蔵モデルは、全てUHD Graphics 750を搭載する。米国における1000個発注時の参考価格は298〜399ドル(約2万6000〜4万3500円)となる。
- Core i7-11700(2.5GHz〜4.9GHz/4.4GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i7-11700F(2.5GHz〜4.9GHz/4.4GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i7-11700K(3.5GHz〜5.1GHz/4.6GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i7-11700KF(3.5GHz〜5.1GHz/4.6GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i7-11700T(1.4GHz〜4.6GHz/3.6GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
Core i9プロセッサ
Core i9プロセッサはTBT 3.0に加えて、排熱性能や電源供給に余裕のある場合にブーストクロックをさらに100MHz上乗せする「Intel Thermal Velocity Boost(TVB)」にも対応している(省電力モデルを除く)。TVBはマルチコア時も有効だ。GPU内蔵モデルは、全てUHD Graphics 750を搭載する。米国における1000個発注時の参考価格は422〜539ドル(約4万6000〜5万9000円)となる。
- Core i9-11900(2.5GHz〜5.2GHz/4.7GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i9-11900F(2.5GHz〜5.2GHz/4.7GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i9-11900K(3.5GHz〜5.2GHz/4.8GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i9-11900KF(3.5GHz〜5.2GHz/4.8GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
- Core i9-11900T(1.5GHz〜4.9GHz/3.7GHz、8コア16スレッド、16MBキャッシュ)
「Core i3」以下はComet Lake-Sを改良
一方、「Core i3」以下のクラスについては、前世代のComet Lake-Sアーキテクチャに基づく新製品が投入される。GPU内蔵モデルのうち、★印の付いているものは「Intel UHD Graphics 610」(EU12基)、付いていないものは「Intel UHD Graphics 630」(EU24基)を搭載している。
- Pentium Gold G6405(4.1GHz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)★
- Pentium Gold G6405T(3.5GHz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)★
- Pentium Gold G6505(4.2Hz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)
- Pentium Gold G6505T(3.6Hz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)
- Pentium Gold G6605(4.3Hz、2コア4スレッド、4MBキャッシュ)
- Core i3-10105(3.7GHz〜4.4GHz/4.2GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)
- Core i3-10105F(3.7GHz〜4.4GHz/4.2GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)
- Core i3-10105T(3GHz〜3.9GHz/3.6GHz、4コア8スレッド、6MBキャッシュ)
- Core i3-10305(3.8GHz〜4.5GHz/4.3GHz、4コア8スレッド、8MBキャッシュ)
- Core i3-10305T(3GHz〜4GHz/3.7GHz、4コア8スレッド、8MBキャッシュ)
- Core i3-10325(3.9GHz〜4.7GHz/4.5GHz、4コア8スレッド、8MBキャッシュ)
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