小型だけど超パワフル! いろいろと楽しめるASUS「Chromebox 4」を試した:Linux開発環境も導入(1/3 ページ)
ASUS JAPANからChrome OS搭載の超小型PC「Chromebox 4」が登場した。5月13日の発売を前に、実機を使ってテストしてみた。
PCパーツだけでなくノート/デスクトップPCやスマートフォンなどでも知られるASUS JAPANは、Chrome OS搭載製品も以前から積極的に展開している。今回紹介する「ASUS Chromebox」はついに第4世代となった。しかも、搭載するCPUはIntel第10世代Coreがベースのハイスペックモデルだ。
ミニPCがベースのデスクトップ版Chrome OS端末
ChromebookやChromeboxといった、Chrome OS端末は教育分野というイメージが強い。クラウド運用が中心なのでWindowsを長年使ってきた人にとっては、むしろとっつきにくいところがあるかもしれない。操作系はPCよりは、スマートフォンやタブレットの感覚に近いと言えるだろう。
一方、中心にあるのは「Google Chrome」ブラウザなので、これは他のプラットフォームと同じUIだ。その上で動作するGmailやDrive、DocsといったGoogleが提供するサービスも同じ感覚で利用できる。アプリの導入や管理はAndroidスマートフォンに近く、Chromeウェブストア経由のアプリ導入も、PC版Chromeで操作をしたことがある人ならスムーズになじむことができるだろう。
このChromebox 4は、デスクトップ型のChrome OS端末だ。本体とACアダプターという構成で、ディスプレイやUSBキーボード/マウスなどは別途用意する必要がある。ディスプレイはHDMI端子などを備えた汎用(はんよう)のもので構わない。一方、キーボードは刻印などの点で、Chrome OS用のものを組み合わせるのが理想的だが、PC用のものでも問題なく動作する。
Chromebox 4はミニPCの分類になる。ボディーサイズは約148.5(幅)×148.5(奥行き)×40(高さ)mmと、12cm角のIntel NUCのようなミニPCより一回り大きいが、デスクトップPCとして見ればコンパクトで専有面積も小さい。付属のVESAマウンターを介して、ディスプレイ裏のVESAマウントホールに装着することも可能だ。
Chromebox 4にはスペックごとにいくつかのモデルが用意されているが、今回の評価機は最上位モデル(CHROMEBOX4-G7021UN)だ。搭載するCPUはCore i7-10510Uで、4コア8スレッドのモバイル向け第10世代Core i7(Comet Lake世代)にあたる。TDPが15Wに抑えられているため、ノートPCのみならずミニPCにも適したCPUだ。コンフィギュラブルTDPはUpが25W、Downは10Wで、TDPが低いために定格クロックは1.8GHzと低めだが、ターボ時の最大動作クロックは4.9GHzと高く、シングルスレッド性能も期待できる。
メモリは16GB(DDR4-2666)を搭載する。Windows PCでは16GBが標準的な容量になっているが、Chrome OS、特に安価な製品が充実しているところを踏まえて考えると大容量と言えるだろう。8GBのSO-DIMM×2枚で16GBという構成なのでデュアルチャンネル動作だ。一般的なSO-DIMMスロットが採用されており、市販のDDR4-2666メモリを購入すれば換装もできる(CPUの仕様上では最大32GB)。
ストレージは256GBと、こちらもChrome OS搭載モデルとしては大容量だ。製品サイトによるとeMMCやM.2 SATAなどいくつかのコンフィギュレーションがあるようだが、評価機は最も高スペックのPCI Express 3.0 x4接続のNVMe SSDが採用されていた。
256GBという容量はWindows PCではやや心もとないが、Chrome OSは主にクラウド利用が想定されているため、内蔵ストレージ自体はそこまで大容量を必要としないと思われる。ただし、最近のスマートフォンがそうであるように、写真をため込んだり多くのアプリをインストールしたりすればPC同様に容量が足りなくなることもあるだろう。
評価機が採用しているM.2スロットは、PCI Express 3.0 x4またはSerial ATA 3.0接続に対応しており、市販のM.2 SSDに換装することが可能だ。
続いて、インタフェースやベンチマークテストの結果を見ていこう。
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