プラネックスの実売1万円切り2.5GbEハブ「FX2G-05EM」で一足先に1Gオーバーの世界へ――NASを使ってテスト(3/4 ページ)
プラネックスから発売された2.5GbEハブ「FX2G-05EM」は、実売価格で税込み1万円を切るモデルだ。2.5GbE対応NASを使って、どれだけスピードがアップするのかをチェックした。
NAS(Network Attached Storage)
2.5GbE対応が最も活発な製品の1つがNASかもしれない。代表的なNASメーカーであるQNAPやASUSTORの個人向け最新モデルは、ミドルレンジクラスでも軒並み2.5GbE対応ポートを複数備えている。
その理由としては、NASが「1:N」の通信を行う機器であることが挙げられる。例えクライアントが1GbEまでしか対応していなかったとしても、複数のクライアントが同時にNASにアクセスすれば、その合計は1Gbpsを超える。NASとスイッチングハブの間が2.5GbEでつながれば、その先が1GbEであっても全体の通信速度の底上げになる。
さらに複数ポートを備えたNASの場合、リンクアグリゲーションによって複数のクライアントを複数のポートに自動的に割り振ることができる。
実際にNASとPC2台を使って、通信速度がどのように変化するのかを測定してみた。NASは2.5GbEポートを2基、PCは1GbE、10GbE対応のものをそれそれ1台ずつ用意した(10GbE対応のPCは2.5GbEにも対応している)。計測にはNAS側をサーバモード、PC側をクライアントモードにしたiperf3を使用した。PC2はPC1に30秒遅れて計測を開始しており、最初の30秒はPC1のみ、次の30秒はPC1とPC2の2台、最後の30秒はPC2のみがアクセスを行っている状態だ。
まず、1GbEスイッチングハブにNAS、PC2台を全て接続した状態を計測した。NASは1ポートのみを使用している。PC1台のみを接続しているときには1Gbpsに近い数字が出ているものの、2台同時に接続すると1Gbpsを2台で分け合う形になり、300〜600Mbps程度に低下する。NAS自体の1GbEネットワークがボトルネックになっていることが分かる。
AS6602TのNASを使ったテスト。PC1にFCCLの「LIFEBOOK UH90/E3」(Core i7-1165G7/メモリ8GB)、PC2に自作PC(Core i7-7700/メモリ16GB+Aquantia Aqtion 10G Pro)を使用した。PC2台を同時に接続すると、両方とも速度は理論値の半分程度になる
次に、スイッチングハブをFX2G-05EMに変更して行った。1GbEのPC1はPC2が接続されても1Gbps近くの速度を維持している。2.5GbE対応のPC2は2台接続時だと1.5Gbpsあたりで頭打ちだが、1台だと2.5Gbps近くに達している。やはり、2台同時接続時には2.5Gbpsを分け合う形になった。
NASの2.5GBASE-Tポートを2つともFX2G-05EMに接続し、リンクアグリゲーションで負荷分散するとNASのネットワーク速度が合計5Gbpsになり、FX2G-05EMのスイッチングファブリックにも余裕があるため、同時接続時にもPCの速度は落ちない。
なお、PC1にプラネックスのUSB Type-C有線LANアダプター「USBC-LAN2500R」を接続してPCを2台とも2.5GbE対応にしたときの結果が次のグラフだ。NASの2.5GbEポートを1基だけ使用した場合は、2台とも1.2〜1.3Gbps程度に速度低下、2ポートとも使用してリンクアグリゲーションを構成した場合は、2台とも2.5Gbpsを維持できていることが分かる。
このように、FX2G-05EMを使用して2.5GbE化を進めていくと、ほぼ理論値通りに通信速度が向上していくことが分かる。2.5GbE対応NASをFX2G-05EMに接続するだけでも大きな効果があり、さらにクライアントPCを2.5GbEにグレードアップすれば全体の処理能力も追従して向上する。2.5GbE対応NASを活用するために、2.5GbE対応スイッチングハブは必須と言えるだろう。
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