永続ライセンス版「Microsoft Office 2021」が登場 米国では10月5日に発売:Windows 11と同時リリース
Microsoftが、永続ライセンス(オンプレミス)版Officeの新バージョンを発売する。法人のボリュームライセンスユーザー向けに提供される「Microsoft Office LTSC 2021」をベースにしているが、提供されるエディションや価格については後日発表される。
Microsoftは10月5日(米国太平洋夏時間)から、コンシューマー向けの永続ライセンスオフィススイート「Microsoft Office 2021」の提供を開始する。Windows版とMac(macOS版)の両方を取りそろえているが、エディションや想定販売価格に関する情報は後日告知される予定だ。
Office 2021の概要
Office 2021は、コンシューマー向けの「Microsoft Office 2019」の後継製品で、法人向けに9月16日(米国太平洋夏時間)から提供を開始した「Microsoft Office LTSC 2021」をベースとしている。
Office LTSC 2021は、何らかの理由でサブスクリプション版の「Microsoft 365(Office 365)」を利用できない法人ユーザーを対象とするボリュームライセンス製品となる。Windows版は「Windows 10」と「Windows 11」、Mac版は「macOS Big Sur」「macOS 10.15(Catalina)」「macOS 10.14(Mojave)」での動作をサポートする。
インストール自体は、サブスクリプション版と同じ「Click-to-Run」で行われる。そのため、インストールを行う際はインターネットへの接続が必要となる。アプリで利用できる機能は、リリース時点におけるサブスクリプション版と同様だ。ただし、Microsoft 365のサービスに依存する機能は利用できないか、利用できても機能が大幅に制限される。
また、永続ライセンス版では更新プログラムによる機能アップデート(新機能の追加)は行われない。ただし、セキュリティ問題や不具合を解消するための更新プログラムは利用できる。
Office LTSC 2021に関する概要情報は、Microsoft公式サイトにある「Overview of Office LTSC 2021」で確認できる。なお、この情報は日本語でも表示できるが、翻訳精度の問題から、現時点では原文(英語)のまま確認することを強くお勧めする
Office 2021の新機能/機能改善
Office 2021で盛り込まれる主な新機能や機能改善は以下の通り。なお、そのほとんどはOffice 365では実装済みである。
アプリ共通
- アプリのスタート画面の一新
- 「リボン」の内容の一新
- 「メディアストック」の一新
- 「Microsoft Search」の実装
- 全体的なパフォーマンスの改善
- 「描画」タブのリニューアル
- アプリの表示言語の追加
- イギリス英語(en-gb)
- カナダフランス語(fr-ca)
- メキシコスペイン語(es-mx)
- 「OpenDocument 1.3」への対応
- 「Officeアドイン」におけるJavaScript APIの追加
- 「Officeテレメトリダッシュボード」の廃止
Microsoft Searchは、あらゆるものを“串刺し”で探せる新しい検索ボックスで、Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteに実装される。例えばOutlookなら、1つの検索ボックスからメールの「アドレス(送受信先)」「タイトル」「本文」はもちろん、スケジュールや連絡先を検索できる他、利用したい機能の呼び出しやヘルプトピックの検索までできてしまう
Excel
- 「XLOOKUP」関数の追加(「VLOOKUP」関数の機能を改善したもの)
- 動的配列を行う関数(FILTER、SORT、SORTBY、UNIQUE、SEQUENCE、RANDARRAY)の追加・「LET」関数の追加(計算結果や値に名前を付けることで指定しやすくなる)
- 「XMATCH」関数の追加(「MATCH」関数の機能を改善したもの)
- 「Power View」の非サポート化
PowerPoint
- 「スライドショーの記録」で以下のデータを記録可能に
- 発表者のビデオ
- インク機能で書き(描き)加えた内容
- レーザーポインターの軌跡
- インクストロークの再生(書き込んだインクを時系列で表示)
- 「スクリーンリーダー」における要素の読み上げ順序の並べ替え
Outlook
- 「翻訳ツール」の追加(日本語を含む70言語に対応)
- インク機能の追加
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