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第6世代「iPad mini」実機レビュー Macを豊かにするプラスワン iPhoneの選び方を変える可能性も本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/3 ページ)

iPhone 13と同時発表の第6世代「iPad mini」は、ついにiPad Pro系の新しいデザインを採用。(第4世代)iPad Airのプロセッサを強化し、サイズを小さくした高性能なミニタブレットに進化した。その実力をいち早く試してみた。

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 第6世代となる新しい「iPad mini」がiPhone 13とともに登場した。iPad miniとしては初めてiPad Pro系のホームボタンがない新しいデザインを採用し、さらに最新のiPhone 13シリーズと同じSoC(System on a Chip)のA15 Bionicを搭載したコンパクトなタブレットだ。

iPad mini
第6世代となった「iPad mini」。ホームボタンがないiPad Pro系の新しいデザインを採用し、ディスプレイは第5世代iPad miniの7.9型から8.3型に大型化した

 本稿はその製品レビューを行うわけだが、実は捉えかたはとてもシンプル。「(第4世代)iPad Airのプロセッサを強化し、サイズを小さくしたもの」と言えば、おおむね間違いではないからだ。

 もちろん、細部には多くの違いがある。また十分なキーボードサイズが確保できないからだろうが、キーボード兼カバーのSmart Keyboard Folioも用意されない。だが、紛れもなくこれは小さなiPad Airだ。従って、小さな気付きにくい使い勝手や、この製品のユースケースなどを実機での感想を交えながら書き進めていきたい。

「小さいことの価値」を感じられる人に

 このミニタブレットというジャンルはデジタルメディアの再生を目的としたものが多く、道具としての品質感や性能よりも、移動時にコンテンツを楽しむデジタルプレーヤー的に低コストな製品を求める人が多い。

 それはiPad mini以外に高性能なミニタブレットが存在しないことからも分かるだろう。以前は確かにあった。しかしSoCの性能が上がり、十分にメディア端末としての性能に不満がなくなってきたところで価格競争になったのだ。

 そしてもう一つ、サイズの小さい商品に対して多くのお金を払いたくない人が多いということもある。高性能なSoCを搭載し、メモリやストレージも多く、基幹部品やシャシーの素材が高級なのであれば、小さくても高価になるので、価格競争になるとそうした製品は見られなくなる。

 もちろん、「私は違う」という人もいるだろう。ものを捉えるときの価値観は人それぞれだ。小さいことの価値を感じ、「小さいけれどiPad Air以上、iPad Proに近いパフォーマンスなんて素晴らしい」と思う人向けのiPadが今回のiPad miniだ。

iPad mini
左から12.9インチiPad Pro(幅214.9×奥行き6.4×高さ280.6mm、約682g〜)、iPad mini(134.8×6.3×195.4mm、約293g〜)、iPhone 13 Pro Max(78.1×7.65×160.8mm、約238g)のサイズ比較
iPad mini
iPad miniの長辺は12.9インチiPad Proの短辺より短い134.8mm。第5世代のiPad miniと同じ横幅であり、片手でもギリギリ握れるサイズだ

 iPad Airより高性能で「小さいのはサイズだけ」というと何かのキャッチコピーのようだが、実際にはiPad Airとは異なる部分も幾つかある。

 まず、画面のアスペクト比がiPadシリーズとして初めて4:3(1.33:1)以外になった。新しいiPad miniの8.3型ディスプレイは解像度が2266×1488ピクセル、そのアスペクト比は1.52:1となる。旧世代のiPad Miniと比べて、本体の形状はほとんど同じで、ホームボタンがなくなり、上下のベゼルが小さくなったのだから当然だが、16:10(1.6:1)でも3:2(1.5:1)でもない中途半端なサイズにAppleのこだわりを感じる。

 なぜ中途半端なのかといえば、「ピッタリにする」ことにこだわったからだろう。新しいiPad miniのサイズは従来機とほとんど同じ。このサイズにぴったりと細いベゼルでディスプレイをはめたと考えなければ、あまり説明ができない特殊サイズだ。当然、専用部品だからなせる設計である。

 なお、アスペクト比が4:3にしか対応していないアプリもあるが、その場合は少しだけ上下を余らせた表示になる。ただ、実際にはほとんど気にならない程度だ。ベゼルが太く感じるという人もいるだろうが、実物はコンパクトなこともあって表示エリアは十分に広く感じる。

iPad mini
解像度2266×1488ピクセルの8.3型ディスプレイは、従来のiPadより横長のユニークなアスペクト比だ
iPad mini
Apple純正アクセサリーのSmart FolioはiPad miniの前面と背面をカバーできる。こちらは前面のカバー部分を折り畳んでスタンドにした様子

 そして300gを切る軽さ(Wi-Fiモデルで約293g、Wi-Fi + Cellularモデルで約297g)はiPad miniとしては歴代最軽量だ。毎日持ち歩きたいiPadであり、そして寝転がって使っても、ソファの上で落ち着いてWebを眺めていても負担に感じない重さでもある。

iPad mini
iPad Airより高性能、iPhone 13 Pro Maxより大画面、そして片手でも握れる横幅と300gを切る軽さがiPad miniの魅力だ。こちらはSmart Folioを装着した状態の前面
iPad mini
Smart Folioの背面はカメラ部分がきれいに丸く抜かれている。Apple Pencilは側面にマグネットで取り付けてそのまま充電できる
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