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フルHDゲーミングに手頃な選択肢 10月14日発売の「Radeon RX 6600」を先行レビュー(1/3 ページ)

10月14日、AMDの新型GPU「Radeon RX 6600」を搭載するグラフィックスカードが発売される。既に登場している「Radeon RX 6600 XT」の下位モデルに相当するが、同様にフルHDのゲーミングに焦点を当てたことが特徴だ。ベンチマークテストを通して実力をチェックしていこう。

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 AMDが10月13日(米国太平洋時間)、ミドルレンジの新型GPU「Radeon RX 6600」を発表した。同GPUを搭載するグラフィックスカードは、米国では同日にパートナー企業を通して発売されており、想定販売価格は329ドル(約3万7400円)からとなっている。

 日本では10月14日から順次、パートナー企業を通してRX 6600を搭載するグラフィックスカードが発売される。税込みの想定販売価格は、おおむね5万円台後半から6万円台前半に設定されている。

 長引く半導体不足の影響で、グラフィックスカードは慢性的な品不足傾向にある。需要の多いハイエンド製品の供給を優先するためか、フルHD(1920×1080ピクセル)でのゲーミングにピッタリなメインストリーム帯の製品は想像以上に選択肢が少ない。それだけに、RX 6600を搭載するグラフィックスカードに興味を持つ人も多いだろう。

 AMDは一部のメディアを対象に、RX 6600の先行レビュー用機材を提供している。ITmedia PC USER宛には、台湾PowerColor製の「FIGHTER RX6600 8GB」が届いたので、これを使ってRadeon RX 6600の“実力”をチェックしてみよう。

FIGHTER RX6600 8GB
ITmedia PC USER編集部宛に届いた「FIGHTER RX6600 8GB」

Radeon RX 6600 XTをさらに小型化 メモリ性能は据え置き

 Radeon RX 6600は、その名の通り「Radeon RX 6000シリーズ」のラインアップの1つで、8月に発売された「Radeon RX 6600 XT」の下位モデルに位置付けられる。AMDいわく「映像的に見事な、高フレームレートの1080p(フルHD)ゲーミングをミドルレンジ市場にもたらす」GPUなのだという。

 Radeon RX 6600の主なスペックは以下の通りだ。

  • 演算ユニット(CU):28基
  • ストリームプロセッサ(SP):1792基
  • ブーストクロック:最大2491MHz
  • グラフィックスメモリ:8GB(GDDR6規格/128bit幅)
  • Infinity Cache:32MB
  • 消費電力:132W
主な仕様
Radeon RX 6600の主な仕様。このスライドにあるリファレンスデザインのグラフィックスカードは、Radeon RX 6600 XTと同様に一般市場には流通しないものと思われる

 GPUダイは、上位モデルであるRX 6600 XTと同じ「Navi 23」である。しかし、CUとSPの基数は削減されており、特にSPは2048基から1792基と1割以上削減されている。ブーストクロックも、最大2589MHzから最大2491MHzと少し低くなった。一方で、グラフィックスメモリやInfinity Cacheの規格や容量は、RX 6600 XTから据え置かれている。

 AMDによると、Smart Access Memory(SAM)を有効化したRX 6600は、フルHDの高画質設定としたゲームにおいて、先代の「Radeon RX 5600 XT」やNVIDIAの「GeForce RTX 2060」よりも高い平均フレームレートを実現できるという。

GPU-Z
「GPU-Z」でRX 6600の情報を表示。GPUダイはRX 6600 XTと同じNavi 23である
比較
フルHDゲーミングにおいて、先代の上位製品や競合の先代製品よりも高いフレームレートを実現できるとのことだ
主なスペック
Radeon RX 6000シリーズのミドルレンジ/ミドルハイレンジ製品とRadeon RX 5700 XTの主なスペック

消費電力当たりのパフォーマンスにも優れる

 ゲームによっては、Resizable BARを有効化した「GeForce RTX 3060」と同程度のフレームレートを実現できるという。それでいて、RX 6600の消費電力は132Wと、RX 6600 XT(160W)やGeForce RTX 3060(170W)よりも低くなっている。AMDの用意した資料を見る限りは、消費電力当たりのパフォーマンスはかなり良いようだ。

 上位製品であるRadeon RX 6600 XTも「フルHDで高いリフレッシュレートを実現する」ことに焦点を当てていたが、Radeon RX 6600はコストをより意識しつつも、必要十分なパフォーマンスを確保するという、ある種のバランス感を高めたモデルといえそうだ。

比較
RX 6600は、Resizable BARを有効化したGeForce RTX 3060と同等のフレームレートを実現できるという
比較
上のグラフを消費電力当たりのパフォーマンスに換算すると、RTX 3060よりも良好であるという。AMDとしては「450W電源のシステムではRTX 3060に置き換えるよりもRX 6600の方がいいですよ」と言いたいようだ

グラフィックスカード自体もコンパクトに

 今回レビューするFIGHTER RX6600 8GBは、2連冷却ファンを搭載している。カードの長さは実測で200mm弱、厚みは35mm前後である。ハイエンドのグラフィックスカードに慣れた身からすると、とてもコンパクトに感じる。

 GPU用補助電源は「8ピン×1」構成となっている。AMDがいう通り「450W電源のシステムにおけるGPUリプレースに最適」な仕様だ。

2連ファン
FIGHTER RX6600 8GBの冷却ファンは2基構成となっている。一部のパートナー企業では、AMDのリファレンスカード(非売品)と同様に1基構成のグラフィックスカードを用意しているようだが、冷却性能重視なら2連ファンに一定の利がある
カード長
RX 6600 XTのレビュー時に利用した「BIOSTAR AMD Radeon RX 6600 XT graphics card」と比べると、全長は少し短い
ヒートシンク
クーラーの外装は基板を完全には覆っておらず、側面からはヒートシンクが露出している
ヒートシンク
3本のヒートパイプがヒートシンクに接続されている
映像出力
FIGHTER RX6600 8GBの外部映像出力は、HDMI×1、DisplayPort×3という構成となっている
バックプレートなし
基板背面にバックプレートは装着されていない
補助電源ピン
GPU補助電源ピンは8ピン×1となっている
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