プロユースにも耐える性能と機能を備えたクリエイター向けPC「ProArt Studiobook 16 OLED」を試す(1/4 ページ)
ASUS JAPANの「ProArt Studiobook 16 OLED」シリーズは、8コアのRyzenプロセッサとGeForce RTX 3070/3060を備えたクリエイター向けのハイエンドノートPCだ。シリーズ最上位モデルをテストした。
ASUS JAPANの「ASUS ProArt Studiobook」は、コンテンツ制作のプロフェッショナルを意識したクリエイ向けノートPCだ。2021年11月に最新モデルが発表されており、「ProArt Studiobook Pro 16 OLED」「ProArt Studiobook 16 OLED」の2シリーズで全5モデルがラインアップされている。
クリエイター向けの高い性能に加えて、4Kを超える高解像度(WQUXGA)に対応した有機EL(OLED)ディスプレイの搭載、コンテンツ制作に便利なダイヤル「ASUS Dial」を装備しているのが共通の特徴だ。
製品名に「Pro」がつくProArt Studiobook Pro 16 OLEDの2モデルは、NVIDIA RTX Aシリーズを採用したワークステーション志向が強いモデルで価格も高価な一方(42万9800円〜/税込み、以下同様)、Proが付かないProArt Studiobook 16 OLEDは、GeForce RTXシリーズを搭載しており、一般クリエイターでも比較的買いやすい価格帯となっている。
今回はその中から、Ryzen 9 5900HXとGeForce RTX 3070 Laptop(グラフィックスメモリは8GB)を備えたProArt Studiobook 16 OLEDの最上位モデル(H5600QR-L2155W)を入手したのでレビューしよう。
ASUS JAPANの「ASUS ProArt Studiobook 16 OLED H5600QR」は、コンテンツ制作のプロフェッショナルを意識したハイエンドのクリエイターモデルだ。同社の直販価格は34万9800円となる
高級感あふれる手触りと質感を備える石のようなソリッドボディー
スリムでフラットなスタイルのボディーは、プレミアムな上質感が印象的だ。素材にはアルミニウム合金を採用し、表面は特殊な耐指紋加工が施されている。
実機を持って見ると、ズシッとした重みと高い剛性感を備えているのが分かる。外郭が硬質で中身も詰まっている感触で、高級な石のようなイメージもある。
ボディーサイズは、約362(幅)×264(奥行き)×19.9〜21.86(厚さ)mm、公称の重量は約2.35kgだ。頑丈さについては、開発段階で米軍調達の基準である「MIL-STD-810H」に含まれるテストをクリアしている裏付けがある。
大きさ、重さともにそれなりにあるので頻繁に持ち運ぶ用途には向かないが、フラットなスタイルでかさばらず、頑丈さにも不安がないため、室内での移動や短距離の移動、車移動などであれば、気軽に持ち出せる。スタジオ撮影やクライアントへのプレゼンテーション、進ちょく報告などの際に持ち出すなどの用途に活用できる。
クリエイティブ作業に没頭できる高い性能を備える
CPUはRyzen 9 5900HXを採用する。8コア16スレッド、最大周波数4.6GHzで動作する現行のノートPC向けRyzenとしては上位のモデルだ。コア数が快適度に直結しやすいクリエイティブ関連の処理をパワフルにこなせる。
一方のGPUは、NVIDIA GeForce RTX 3070 Laptop(グラフィックスメモリは8GB)だ。ノートPC向けのGeForceシリーズの中では上位のモデルで、リアルタイムレイトレーシング、DLSS(Deep Learning Super-Sampling) /DLSS 2.0といった最新技術を活用したタイトルを含め、現行のゲームタイトルを高画質で快適にプレイできる描画性能を備える。
最近のクリエイティブツールではGPUも積極的に活用されるようになっており、レンダリング、プレビュー、エンコード、AIを活用した超解像処理や特殊効果の適用など、さまざまな処理を高速化してくれる。特に特にAIを活用した処理では、AI推論に特化したTensorコアを統合しているRTXシリーズのアドバンテージが大きい。
プリインストールされているユーティリティー「ProArt Hub」でパフォーマンスモードが選択できるようになっており、モードを切り変えることでCPU/GPUの電力制限が変わる。標準の「スタンダード」ではCPU 54W/GPU 85W、「パフォーマンス」ではCPU 70W/GPU 110W(両方が高負荷状態の場合は50W/90W)となるという。
ProArt Hubでパフォーマンスモードを選べる。モードを切り変えることでCPU/GPUの電力制限が変わる。標準の「スタンダード」ではCPUが54W/GPUは85W、「パフォーマンス」ではCPUが70W/GPUは110W(両方同時に高負荷状態の場合は50W/90W)となる
足腰となるメモリやストレージも充実
メモリはDDR4-3200を32GB(16GB×2)、ストレージはNVMe SSDを1TB備える。一般的な基準から言えば豪華な仕様といえるかもしれないが、プロやハイアマチュアのクリエイターが利用するPCとしては最低ラインだろう。
クリエイティブといってもニーズは分かれるので、これで十分という人もいるだろうが、本製品のようにBTOができないPCでは標準構成が重要だ。プロユースを意識したハイエンドのPCという位置づけならば、もっと思い切った構成にした方がリアルなクリエイターには訴求できると思われる。そのためのモデルが、上位のProArt Studiobook Pro 16 OLEDなのだろう。
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