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「16:10ディスプレイ」が思わぬ部分でデメリットに? 「ThinkPad X1 Carbon Gen 9」を試す(前編)(2/2 ページ)

レノボのフラグシップノートPC「ThinkPad X1 Carbon」の第9世代モデルは、画面のアスペクト比が16:10となったことが特徴だ。縦方向の解像度が増えた一方で、キーボードには見逃せない変化も見受けられる。2022年に発売されるであろう第10世代モデルのプレビューとして、第9世代モデルをチェックしていこう。

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ポート類は充実するも「有線LAN」は廃止

 ポート類は、左側面にThunderbolt 4(USB4)端子×2、USB 3.0 Type-A端子、HDMI出力端子を、右側面にイヤフォン/マイクコンボジャックとUSB 3.0 Type-A端子(常時電源供給対応)を備えている。Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力とDisplayPort Alternate Modeによる映像出力にも対応している。

 Gen 5(2017年モデル)以降からほぼ変化のなかったポート類の陣容だが、実は有線LANポートが廃止されている。有線LANに対応しないThinkPad X1 Carbonは、初代モデル以来である。

 振り返ると、Gen 2(第2世代、2014年モデル)で有線LAN対応が“復活”したのは、有線LANポートが必要な(≒ポリシーの都合でUSBポートの利用が禁止されている)企業や団体のニーズが大きかったからであると記憶している。第10世代である意味の「先祖返り」をしたのは、有線LANへのニーズが減ったということなのだろう。

 CTOモデルでは、ワイヤレスWAN(モバイル通信)対応オプションも用意されている。モジュールはQuectel製で、5G/LTE対応のものとLTE対応ものから選択できる。どこでも単体で通信できるのは非常に利便性が高いので、予算に余裕があればCTOモデルなら搭載したいオプションである。

左右側面
左右の側面。LTE/5G対応構成の場合は、右側面のイヤフォン/マイクコンボジャックとUSB 3.0 Type-A端子の間にnanoSIMスロットがある

デュアルファンで冷却効率アップ

 第11世代Coreプロセッサは、従来のCoreプロセッサと比べてCPU部分はもちろんGPU部分もパフォーマンスが向上している。そのこともあり、ThinkPad X1 Carbon Gen 9ではシリーズとしては初めて冷却ファンがデュアル構成となった。合わせて、排熱口が右側面から背面に移動している。

 従来モデルでは、右利きの人がマウスをつないで使うと排熱が気になることも多かったと思うが、背面排熱となったGen 9ではそのような悩みから解放される。「デュアルファンになると、ファンの音が大きくなるのでは?」と思いがちだが、少なくともCore i5-1135G7との組み合わせではGen 8や筆者手持ちのGen 5(第5世代、2017年モデル)と比べて音が大きいということはない。Gen 5比では、むしろ静かになったとも思う。

 加えて、Gen 9ではSSDにも放熱用の銅板が装着されている。パフォーマンス向上によってSSDの発熱も大きくなっていることへの対応だろう。なお、レビューに使ったモデルに搭載されていたSSDはSK hynix製の「HFS256GDE9X081N」というものだった。

中身
Gen 9では排熱口が右側面から背面に変更され、冷却ファンは2連構成となった。SSDにも放熱用の銅板が装着されている
SSD
レビュー機のSSDは「HFS256GDE9X081N」を搭載している。メーカーのサイトには詳細情報はないが、「SK hynix PC711」のカスタマイズモデルだと思われる

 後編では、ベンチマークテストなどを通してThinkPad X1 Carbon Gen 9の“実用性”をチェックしていく。楽しみにしていてほしい。

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