NECがPCの「抗ウイルス/抗菌コート」サービスを開始 新型コロナウイルスにも効果あり:他社製PCもOK
NECが、ハドラスホールディングスと独占契約を結んだ上で、PCに抗ウイルス/抗菌ガラスコートを塗布するサービスを開始する。NECのキッティングセンターからPCを出荷する際に塗布するオプションの他、既に企業や学校などが導入(展開)しているPCへの出張塗布にも応じる。他社製PCへの塗布も可能だ。
NECは2月下旬から、ビジネス/教育機関用PCにハドラスホールディングス製の抗ウイルス/抗菌ガラスコーディング剤「Dr.ハドラスEX」を塗布するサービスを開始する。サービス料金(税別、以下同)は、NECのキッティングセンターで塗布する場合は40万円(100台パック)から、現地訪問して塗布する場合は19万4000円(20台パック)からとなる。
「Dr.ハドラスEX」って何?
Dr.ハドラスEXは、ハドラスが開発した抗ウイルス/抗菌成分の定着技術「Hシールド技術」を採用したガラスコーディング剤「Dr.ハドラスシリーズ」の最上位製品だ。ISO 21702規格に準拠する抗ウイルス性能と、ISO 22196規格に準拠する抗菌性能を有しており、いずれの性能も抗菌製品技術協議会(SIAA)による認証を取得している。
Hシールド技術の採用により、Dr.ハドラスEXは新型コロナウイルス(Hシールド技術)の「デルタ株」の99.9%を不活性化できる。A型インフルエンザウイルス、大腸菌や黄色ブドウ球菌などの不活性化にも強みを発揮するという。一般的なガラスコーティング材と同様に、防汚性能や耐傷性能も備えている。
1回塗布すると、使用環境によって異なるが最長で5年間効果が持続する。ただし、タッチ対応ディスプレイのガラス面など、AFコーティング(フッ素系コーティング)が施されている部位には塗布できない。
Dr.ハドラスEXの抗ウイルス/抗菌性能は第三者機関(ボーケン品質評価機構、新型コロナウイルスの抗ウイルス検査のみ日本繊維製品品質技術センター 神戸試験センター)で評価されている。JIS(日本産業規格)が定める試験では、抗ウイルス/抗菌活性値が「2」以上であれば「抗ウイルス/抗菌性能がある」とされる
NECが独占的にサービスを提供 他社製PCにも対応可能
NECが提供するDr.ハドラスEXの塗布サービスは、「業務や教育に使うPCを清潔に使う」という潜在的ニーズを掘り起こすために企画されたという。Dr.ハドラスEXはさまざまな素材に塗布できるが、PCへの塗布サービスについてはNECとハドラスとの独占契約となっているという。
Dr.ハドラスEXのPCへの塗布は、NEC独自の認定を受けた作業員が行う。他社製のPCにも対応可能だ。デスクトップPCとノートPCのいずれにも塗布できるが、フォームファクターによって塗布範囲は異なる。
サービス開始時点ではノートPCとデスクトップPCへの塗布に対応しているが、ユーザーから要望があればタブレット端末やスマートフォンに塗布するサービスも検討したいという。
サービスの提供価格
Dr.ハドラスEXの塗布サービスは、先述の通りキッティングセンターでの実施とPCでの設置場所での実施(出張サービス)を選択できる。
キッティングセンターでの実施は、新たに購入したPCのキッティングのついでに行うことを想定している。Chromebookを新規導入する場合は、プロビジョニング作業とセットで行うメニューも用意されている。サービスは100台以上20台単位で行う想定で、想定料金は以下の通りとなる。
- キッティングセンターでの塗布(送料別途)
- 100台パック:40万円
- 追加20台パック:8万円
- Chromebookのプロビジョニングとのセット(送料別途)
- 100台パック:60万円
- 追加20台パック:12万円
出張サービスは、企業や学校に設置(配備)済みのPCに塗布することを想定している。サービスは20台以上20台単位で行う想定で、PCの設置場所(出張先)によって料金設定が異なる。具体的な想定料金は以下の通りだ。
- エリア1への出張(出張交通費込み)
- 20台パック:19万4000円
- 40台パック:30万5000円
- 60台パック:40万9000円
- 80台パック:48万1000円
- 100台パック:58万円
- 追加20台パック:11万6000円(100台パックと組み合わせて購入)
- エリア2への出張(出張交通費込み)
- 20台パック:27万3000円
- 40台パック:35万3000円
- 60台パック:48万円
- 80台パック:57万5000円
- 100台パック:69万5000円
- 追加20台パック:13万9000円(100台パックと組み合わせて購入)
- エリア1/2に含まれない地域への出張
- 個別見積もりで対応
「エリア1」「エリア2」の設定について
エリア1
北海道(札幌駅から100km圏内)、東北地方(仙台駅から100km圏内)、関東地方、甲信越地方、東海地方(静岡県/愛知県/岐阜県/三重県)、近畿地方、九州地方(福岡県/佐賀県/大分県の全域と、長崎県/熊本県の一部)
エリア2
北陸地方、中国・四国地方、北海道/東北/九州地方で「エリア1」に含まれない地域
エリア1/2に含まれない地域(個別見積もり)
沖縄県、その他離島(エリア1/2の地域と橋でつながっている場合を除く)
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