物理ボタンでHueを操作できるディマースイッチとスマートボタンは何が違う? 使って分かる目に見えない違い:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回はPhilipsのスマート照明「Hue」のオプション製品であるディマースイッチとスマートボタンを比較した。
ディマースイッチとスマートボタン、家族に優しいのはどっち?
この両製品を比較した場合、外見からすぐ分かる相違点は「ボタンの数」、機能面では「明るさ調整ができるかできないか」だろう。ガジェットの観点からすると、ボタンが多くて多機能な方が、よい製品という評価になりがちだ。
もっとも、これはやや一面的にすぎるように思う。というのも、このディマースイッチやスマートボタンは、スマホ経由やスマートスピーカー経由での操作になじめない人向けの製品という意味合いもあり、ボタンの多さや機能の多さは必ずしもプラスとは言えないからだ。
スマートスピーカーの購入をきっかけに、自宅をすみずみまでスマートホーム化したところまではよかったが、家族にとっては操作を覚えられず、クレームがつくというのはよくある話だ。特に誰もが使うことになる照明は、従来と同じく壁面スイッチ1つでオン/オフしたいというニーズは多いはずである。
このディマースイッチやスマートボタンは、そういった場合にぴったりなアクセサリーだが、やたらとボタンが多いのは、誤操作を誘発しかねない。例えばディマースイッチは、うっかり明るさ調整のボタンを押してしまうとその明るさが記録され、次からはそれが呼び出されるようになる。「戻し方が分からない」と家族からクレームが入るのは必至だ。
その点、スマートボタンは明るさ調整の機能そのものがないので、そういったトラブルが起こり得ない。また長押しでプリセットの切り替えを行う機能も、アプリ側で無効化できるため、完全に「オンとオフしかできない」仕様へと変身させられる。そうした意味では、このスマートボタンの方が、より万人にやさしく、トラブルを起こしにくい製品ということになる。
ちなみに、ディマースイッチ側も同様にプリセット切り替えを無効化することは可能だが、押せるボタンの数が変わるわけではない。いくら無効化しても「どこを押してよいか迷う」点においては違いがないわけだ。さらに明るさ調整は無効化できないときている。
従って、この種のデバイスにある程度詳しい人、想定外の動きをしても自力で解決できる場合はディマースイッチをお勧めできるが、そうでないユーザーにはスマートボタンの方がお勧めできる。自宅にスマートホームを導入する場合は、こうした観点は必要になるだろう。
ちなみに筆者が試した限り、オンとオフ以外の操作ができなくなるアプリの設定は以下の画面の通りだ。必要に応じて参考にしてほしい。
以下はディマースイッチの設定手順。Hueアプリでアクセサリーを開くと、セットアップ済みのディマースイッチやスマートボタンが表示される(左)。ディマースイッチの場合、まずはモードで「時間ベースの照明」を選ぶ(中央)。メイン画面の下段から、時間ごとに使うプリセットを全て同一のものに変更する(右)
こちらはスマートボタンの設定手順。まずはモードで「時間ベースの照明」を選択(左)し、時間ごとに使うプリセットを全て同一のものにしておく(中央)。押し続けた時の挙動として「何もしない」に設定すれば完了だ(右)
試してみなければもったいないアイテム
スマートホームで照明を操作しようとすると、音声で呼びかける必要があり、時と場合によっては面倒さを感じることもある。また、スマホ経由で呼び出すのも、どうしても手間がかかる。照明のように、今すぐオン/オフができないと困る製品であればなおさらだ。
Hueはスマート機能が売りでありながら、このような点をよく理解しており、今回のアクサリーはその象徴と言える製品だ。こうしたオプションがあるからこそ、Hueは支持されているとも言える。
逆に言えば、せっかくHueを使っているのであれば、試してみなければもったいないアイテムだ。実売価格も2〜3千円台とリーズナブルゆえ、まだ未体験という人はぜひ試してみてほしい。
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