「Intelと拮抗」「焼け石に水」「もう一声」――揺れる値下がりしたRyzenの評判:古田雄介の週末アキバ速報(1/2 ページ)
3月19日から“3連休”が始まる。それを控えた秋葉原のPCショップでは、期間限定のRyzen 5000シリーズの“値下げ”がいろいろな意味で影響を与えている。
前回のレポートにもある通り、先週からRyzen 5000/5000Gシリーズが期間限定で大幅に値下がりしている。秋葉原の各ショップにおいて、その影響は大なり小なり生じているようだ。
目立って売れているのは「Ryzen 5 5600X」「Ryzen 9 5950X」
パソコンSHOPアークは「(売れ行き面では)Ryzen 9 5950XとRyzen 5 5600Xがけん引していますね。感覚としてはIntelと拮抗(きっこう)する所まで(いきおいを)取り戻している印象です」と語る。「今は、新生活シーズンなのでさまざまなセット割を用意しています。5600X、『TUF GAMING B550-PLUS』(実売1万7000円前後)とDDR4メモリの32GBキットの組み合わせでも6万円くらいに収まったりします。マザーボードが比較的手頃なAMDプラットフォームの強みが出ていますね」(同店)。
他店でも、Ryzen 9 5950Xを筆頭に上位モデルほど好調な傾向にあるとの話をよく聞いた。TSUKUMO eX.は「ゲーム系の用途にはIntelが強いですが、クリエイターの方には5950Xを中心にAMDの上位CPUが今もよく売れていますね」という。
ただ、Ryzenの値下げについて、それほど効果が出ていないという声もある。
パソコン工房 秋葉原BUYMORE店は「6:4という比率で、Intelがどうにか優勢を維持しているような感じですね。想定では(AMDは)もっといけるかなと思ったんですが」と話していた。
スパラ秋葉原本店も「圧倒的にIntel優勢だった所に少し対抗できたかなというくらいです。値下げ直後は5950Xが売り切れるくらいの反応がありましたが、再入荷後は動きが止まっています」という。さらに「Intelの強さに対して、(AMDの値下げは)“焼け石に水”感がちょっとありましたね」(某ショップ)とのコメントもあった。
感触にはショップによって開きがあるが、値下げの効果はおおむね実感できている様子だ。同時に「もう一声」という感情が乗っているのも感じる。
あるショップは「あと数千円。例えばRyzen 7 5800X(実売4万8000円前後)の価格が、今のRyzen 7 5700G(実売4万2000円前後)くらいまで下がったら、“なだれ”が起きると思うんですよね。売る側のわがままかもしれませんが……」とこぼしていた。
関連記事
- Ryzen 9 5950Xが8.6万円に!――Ryzen 5000シリーズ気合いのセールが話題を集める
第12世代Core iシリーズがヒットする中で、ライバルのRyzen 5000シリーズが期間限定の値下げセールを延長し、さらに攻め込んだ価格設定に。各ショップで話題となっている。 - 4万円切りモデルが抜きん出て目立った「GeForce RTX 3050」搭載グラフィックスカード
NVIDIAの新GPU「GeForce RTX 3050」を搭載したグラフィックスカードが一斉に売り出された。価格は3万円台から6万円台までと幅広い。それゆえに低価格なモデルに人気が集中した。 - 最近よく聞く「レイトレーシング」 一体ナニモノ?
エントリークラスの独立(外部)GPUだけでなく最新のゲーム機にも広がってきた「リアルタイムレイトレーシング(RT)」への対応。リアルタイムはともかく、「レイトレーシング」とは一体何なのか? 簡単に解説する。 - 一部のショップでWindows 11の人気が10に勝る
新生活準備シーズンの今、OSも特価セールのラインアップに乗る光景が見られる。併売されているWindows 10と11だが、現在の売れ行きはどうなっているのだろう? - 実売3万円台のGeForce RTX 3050カードがASUSからも登場!
1カ月前に販売解禁となり、最近は売れ行きが落ち着いていたGeForce RTX 3050搭載グラフィックスカードだが、今週末に再び注目株が登場した。既に取り合いの様相を示している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.