PCの快適さは増す? スリムデスクトップPCをグラボでパワーアップしてみた(実戦編):大型連休の自由研究(4/5 ページ)
約5年半前に発売されたスリムデスクトップPCをグラフィックスカードでパワーアップする――その計画を実行に移す時が来た。今回はAMD製GPUを搭載するグラフィックスカードを2枚用意し、実際に組み込んでテストしてみる。
FF14ベンチマーク
重めの3Dグラフィックスをそこそこ描画できることが分かった所で、実際のゲームをベースとするベンチマークテストでパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、DirectX 11世代のゲームで、描画負荷が比較的軽い「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を実行する。描画はフルHD(1920×1080ピクセル)解像度でフルスクリーン表示とし、「標準品質(デスクトップPC)」と「高品質(デスクトップPC)」の2パターンでテストを実行した。結果は以下の通りだ。
- フルHD/標準品質(デスクトップPC)
- 外部GPUなし:1086ポイント(設定変更が必要)
- Radeon RX 6400:9990ポイント(快適)
- Radeon PRO W6400:9357ポイント(快適)
- フルHD/高品質
- 外部GPUなし:572ポイント(動作困難)
- Radeon RX 6400:7366ポイント(やや快適)
- Radeon PRO W6400:7968ポイント(やや快適)
外部GPUなしでのプレイは絶望的である。しかしRadeon RX 6400やRadeon PRO W6400を搭載すると、まずまずプレイできるパフォーマンスにまで引き上げられる。ベンチマークの様子を見る限りにおいても、描画のカク付きはあまり見受けられなかった。
少し気になるのは、標準品質のテストではRadeon RX 6400が、高品質のテストではRadeon PRO W6400がより良いスコアを残したことである。「誤差かな?」と思って5回ほどテストを繰り返してみたのだが、この傾向は変わらなかった。ドライバー回りのどこかにある“差”がスコアとして現われたのだろうか……?
FF15ベンチマーク
続けて、描画負荷がより重い「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク(FF15ベンチマーク)」を試してみる。描画はフルHD解像度のフルスクリーンとし、テストは「軽量品質」と「標準品質」の2パターンで実施した。結果は以下の通りだ。
- フルHD/軽量品質
- 外部GPUなし:464ポイント(動作困難)
- Radeon RX 6400:5353ポイント(やや快適)
- Radeon PRO W6400:5257ポイント(やや快適)
- フルHD/標準品質
- 外部GPUなし:376ポイント(動作困難)
- Radeon RX 6400:4652ポイント(やや快適)
- Radeon PRO W6400:4783ポイント(やや快適)
こちらも、外部GPUなしでのプレイは絶望的だったが、Radeon RX 6400やRadeon PRO W6400を搭載すると「やや快適」にプレイできるようになる。スコアだけを見ると、現代のゲームにおいて標準的品質でのプレイなら十分に楽しめそうに思える。
ただし、FF15ベンチマークやFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONは、グラフィックスカードに加えてCPUのコア(スレッド)数やメインメモリの容量もある程度パフォーマンスに影響する。今回のベンチマークテストでは、オブジェクト(描画すべき人物や物体)が増えるタイミングなどで描画がカク付く場面も見受けられた。CPUを換装するのはハードルがやや高いが、メインメモリの増設/換装であれば簡単に行える。メインメモリを8GB×2のデュアルチャネル構成とするだけでも、カク付きは減らせるはずだ。
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