Zen 4は「AVX-512」対応 Zen 5は2024年にも登場へ――AMDがCPU/GPUの最新ロードマップを披露(2/2 ページ)
AMDが投資アナリスト向けの事業説明会を開催した。その中で、CPUやGPUの最新ロードマップが披露されたので、コンシューマー(個人向け)製品に関係のある内容をピックアップして紹介しよう。
RDNA 3アーキテクチャのGPUは「2022年後半」に
AMDのゲーミング性能を重視したGPUアーキテクチャ「RDNA」について、第3世代に当たる「RDNA 3アーキテクチャ」(開発コード名:Navi 3x)を採用するGPUが2022年後半に投入される見通しとなった。
RDNA 3アーキテクチャは、Zen 4アーキテクチャと同様に5nmプロセスを採用する。先述の通りPhoenix Pointにも統合される予定となっている。AMDによると、RDNA 2アーキテクチャと比較した場合の消費電力あたりのパフォーマンスは、50%超の向上を見込んでいる。その他、以下の特徴を持っているという。
- 先進のチップレットパッケージングを採用
- 演算ユニット(CU)の再設計
- グラフィックスパイプラインの最適化
- 新世代「Infinity Cache(L3キャッシュ)」の搭載
具体的な性能比較は示されていないが、Radeonの強みである消費電力あたりのパフォーマンスの改善により注力したGPUコアとなりそうだ。
なお、RDNA 3アーキテクチャの先にある「RDNA 4アーキテクチャ」(開発コード名:Navi 4x)の開発も進んでいるという。ただし、Zen 5アーキテクチャのCPUと同様に“先進のノード”を使うとされており、具体的な採用プロセスは不明である。
演算重視の「CDNA」も第3世代に
RDNAとは別に、AMDはHPC/データセンター向けのGPUアーキテクチャ「CDNA」も用意している。RDNAがゲーミング(レンダリング性能)を重視した設計であるのに対して、CDNAはピークの演算能力を重視した設計となっている。CDNAも、5nmプロセスの第3世代「CDNA 3アーキテクチャ」に移行する。現時点では2023年内に製品が登場する予定となっている。
CDNA 2アーキテクチャではCPUとGPUを別個に搭載していたが、CDNA 3アーキテクチャでは、Zen 4アーキテクチャのCPUコアとHBM(広帯域メモリ)を一体で搭載するAPUとして提供することで高い処理性能とTCO(総所有コスト)の削減を両立するという。AMDは、消費電力あたりのAI処理パフォーマンスをCDNA 2アーキテクチャ比の5倍超とする計画を打ち立てている。
HBMはメインメモリとグラフィックスメモリを兼ねる「ユニファイドメモリ」として使われる。これにより、データの冗長性を確保するために行われるメモリデータのコピー頻度が減るため、処理パフォーマンスの改善につながる
CDNA 3アーキテクチャのGPUコアは、新型APU「Instinct MI300シリーズ」に統合される形で登場する見通しとなっている。このAPUのCPUコアは、次世代EPYCシリーズにも搭載されるZen 4アーキテクチャのものだという
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