Intel Arc A380搭載デスクトップPC「DAIV Z3-A380」の性能は? クリエイティブ系アプリは加速する?(2/4 ページ)
マウスコンピューターのクリエイター向けPC「DAIV」シリーズに、Intel Arc A380を搭載したデスクトップPCが追加された。新GPUはクリエイティブ関連のアプリで有用なのか、そしてパフォーマンスはどうなのかを細かくチェックした。
大幅に進化した第12世代Coreプロセッサを搭載
本機のCPUは、IntelのCore i7-12700を搭載する。デスクトップPC向けの第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake-S)の中でも主力といえる存在で、ゲーミングPCやクリエイターPCで搭載例が多いモデルだ。
この第12世代Coreプロセッサの性能は、とにかく素晴らしい。性能優先のPコアと電力効率優先のEコアのハイブリッド構造を採用し、最適に使い分ける仕組みが取り入れられており、電力効率を改善しつつ性能を大幅に底上げしている。特に、デスクトップPC向けのCPUは、近年数世代に渡って大きな進化がなかっただけに、第12世代Coreプロセッサの魅力は非常に大きい。
標準で9cmファンを搭載した、比較的コンパクトなサイドフロー式のCPUクーラーを備えている。BTOでは、12cmファンを採用したより冷却効率の高いCPUクーラー(Cooler Master Hyper 212 EVO)や高性能グリスの塗布も選べる
将来有望なAV1ハードウェアエンコードに対応したIntel Arc A380
グラフィックスカードに、Intel Arc A380 GPUを採用しているのも本機の大きな特徴だ。Intel Arcシリーズは、Intelが近年開発を進めてきた「Xe-HPGアーキテクチャ」のGPUで、A380はデスクトップPC向けのArcシリーズの中ではエントリー向けのモデルとなる。
演算を行うXeコアが8基、レンダースライスが2基、レイトレーシングユニットを8基備え、VP9、AVC(H.264)、HEVC(H.265)、AV1のハードウェアデコード/エンコードに対応したメディアエンジンも統合し、グラフィックスメモリとしてGDDR6を6GB搭載している。
AV1はH.265を上回る高い圧縮効率に加え、ロイヤリティフリー(H.265はロイヤリティーが高額かつ複雑)というメリットがあり、Microsoft、Apple、Google、Amazon、NVIDIAなども支持を表明しており、今後広く使われていくと期待されている。
NVIDAの主力であるGeForce RTX 30シリーズはAV1のハードウェアデコードに対応しているが、ハードウェアエンコードには対応していない。将来有望なAV1のハードウェアエンコードをいち早くサポートしている点は、Intel Arc A380 Graphicsの大きなアドバンテージといえる。
Arc A380は、AV1のハードウェアエンコーダを統合している。DaVinch Resolve 18では、MP4エンコードのコーデックとして「AV1」を選択できた(Intel Arc GPU非搭載のシステムでは、AV1コーデック自体が選択肢に表示されない)
メモリは最大128GBまで NVMe SSDのデュアル搭載も可能
CPUとGPU以外の基本スペックは、BTOで柔軟なカスタマイズできる。標準構成では、メモリが32GB(16GB×2/DDR4-3200)、ストレージはシステム用の512GBのNVMe SSDにプラスしてデータ用に1TBのHDD(Serial ATA接続)を搭載するデュアルドライブ構成だ。
BTOではメモリを最大128GB(32GB×4)まで選べ、NVMe SSDは最大2基、合計4TBまで追加できる。3.5インチHDDは、5インチベイに装着するリムーバブルHDDケースでの搭載も可能になっているなど柔軟性が高い。
高速2.5GBASE-T有線LANにWi-Fi 6対応の無線LANを標準装備
本機のマザーボードには、Intel Z690チップセットを搭載しており、背面にはUSB 3.2 Gen 2 x2(20Gbps)に対応したUSB Type-Cポートを装備する。これを含め、USBは背面と前面合わせて合計で9基と豊富だ。
通信機能は、一般的な1000BASE-Tの2.5倍の速度で通信できる2.5GBASE-T対応の有線LANと、Wi-Fi 6対応の無線LAN、Bluetooth 5.2も搭載している。
背面にある有線LAN端子は、高速な2.5GBASE-Tに対応する。USB Type-C端子は、20Gbps(USB Gen 2 x2)対応だ。4基のUSB 3.0(Type-A)に加え、USB 2.0(Type-A)も2基ある
続いて、ベンチマークテストで本機のパフォーマンスを見ていこう
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