ニュース
最大96コアでライバルを撃墜!? AMDがHPC/データセンター向けCPU「第4世代EPYC」を発売 最大1.9倍のパフォーマンス向上:Zen 4アーキテクチャベース(2/3 ページ)
AMDが、Zen 4アーキテクチャベースのHPC/データセンター向けCPU「EPYC 9004シリーズ(第4世代EPYC)」を発売した。前世代と比べると最大で1.9倍のパフォーマンス向上を図った他、ライバルのIntelの現行製品である第3世代Xeonスケーラブルプロセッサと比べると、最大2.8倍(処理内容によっては3倍)のパフォーマンスを発揮できるという。
第4世代EPYCのラインアップ
第4世代EPYCには、CPUコアの数、デュアルプロセッサ対応の有無など、仕様の違いにより18モデルが用意されている。
各モデルのスペックは、モデル名(SKU番号)を見ればある程度判断できるようになっている。「EPYC 9354P」を例に挙げると以下の通りだ。
- 千の位:CPUソケットの種類
- 「9」はSocekt SP5を示す
- 百の位:CPUコアの数
- 「0」は8コアで、「3」までは1増えるごとに8コア追加
- 「4」は48コア、「5」は64コアを示す
- 64コア超の場合は「6」となる
- 十の位:パフォーマンス
- 同じコア数であれば、数字が大きいほど相対的パフォーマンスが高いことを示す
- ただし「9」は将来のために予約(現状では利用しない)
- 一の位:CPUの世代
- 「4」は第4世代であることを示す
- アルファベット:機能的な特色を示す
- 「P」はシングルプロセッサ専用を示す(デュアルプロセッサ構成に対応しない)
- 「F」は高クロック稼働を示す(通常モデルよりも最大クロックが高い)
具体的なラインアップは以下の通りとなる。なお、モデル名の横に記載した価格は1000個単位で購入した場合の1個当たりの想定価格となる。
EPYC 91x4シリーズ(16コア32スレッドモデル)
- EPYC 9124(1083ドル、約15万3700円)
- 動作クロック:3GHz〜3.7GHz(全コア時は最大3.6GHz)
- L3キャッシュ:64MB
- TDP:200〜240W(定格は210W)
- EPYC 9174F(3850ドル、約54万6600円)
- 動作クロック:4.1GHz〜4.4GHz(全コア時は最大4.15GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は320W)
EPYC 92x4シリーズ(24コア48スレッドモデル)
- EPYC 9224(1825ドル、約25万9000円)
- 動作クロック:2.5GHz〜3.7GHz(全コア時は最大3.65GHz)
- L3キャッシュ:64MB
- TDP:200〜240W(定格は200W)
- EPYC 9254(2299ドル、約32万6600円)
- 動作クロック:2.9GHz〜4.15GHz(全コア時は最大3.9GHz)
- L3キャッシュ:128MB
- TDP:200〜240W(定格は210W)
- EPYC 9274F(3060ドル、約43万4800円)
- 動作クロック:4.05GHz〜4.3GHz(全コア時は最大4.1GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320W〜400W(定格は320W)
EPYC 93x4シリーズ(32コア64スレッドモデル)
- EPYC 9334(2990ドル、約42万4700円)
- 動作クロック:2.7GHz〜3.9GHz(全コア時は最大3.85GHz)
- L3キャッシュ:128MB
- TDP:200〜240W(定格は210W)
- EPYC 9354(3420ドル、約48万5800円)
- 動作クロック:3.25GHz〜3.8GHz(全コア時は最大3.75GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:240〜300W(定格は280W)
- EPYC 9354P(2730ドル、約38万7900円)
- 動作クロック:3.25GHz〜3.8GHz(全コア時は最大3.75GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:240〜300W(定格は280W)
- EPYC 9374F(4850ドル、約68万9000円)
- 動作クロック:3.85GHz〜4.3GHz(全コア時は最大4.1GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は320W)
EPYC 94x4シリーズ(48コア96スレッドモデル)
- EPYC 9454(5225ドル、約74万2700円)
- 動作クロック:2.75GHz〜3.8GHz(全コア時は最大3.65GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:240〜300W(定格は290W)
- EPYC 9454P(4598ドル、約65万3200円)
- 動作クロック:2.75GHz〜3.8GHz(全コア時は最大3.65GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:240〜300W(定格は290W)
- EPYC 9474F(6780ドル、約96万3000円)
- 動作クロック:3.6GHz〜4.1GHz(全コア時は最大3.95GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
EPYC 95x4シリーズ(64コア128スレッドモデル)
- EPYC 9534(8803ドル、約125万円)
- 動作クロック:2.45GHz〜3.7GHz(全コア時は最大3.55GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:240〜300W(定格は280W)
- EPYC 9554(9087ドル、約129万円)
- 動作クロック:3.1GHz〜3.75GHz(全コア時も最大3.75GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
- EPYC 9554P(7104ドル、約100万1000円)
- 動作クロック:3.1GHz〜3.75GHz(全コア時も最大3.75GHz)
- L3キャッシュ:256MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
EPYC 96x4シリーズ(64コア超モデル)
- EPYC 9634(1万304ドル、約146万1000円)
- コア/スレッド数:84コア164スレッド
- 動作クロック:2.25GHz〜3.7GHz(全コア時は最大3.1GHz)
- L3キャッシュ:384MB
- TDP:240〜300W(定格は290W)
- EPYC 9654(1万1805ドル、約167万4400円)
- コア/スレッド数:96コア192スレッド
- 動作クロック:2.4GHz〜3.7GHz(全コア時は最大3.55GHz)
- L3キャッシュ:384MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
- EPYC 9654P(1万625ドル、約150万7300円)
- コア/スレッド数:96コア192スレッド
- 動作クロック:2.4GHz〜3.7GHz(全コア時は最大3.55GHz)
- L3キャッシュ:384MB
- TDP:320〜400W(定格は360W)
関連記事
- Intelが「第3世代Xeonスケーラブルプロセッサ(Ice Lake)」を発表 最大40コアで処理能力を向上
Intelが、Ice Lakeアーキテクチャに基づく第3世代Xeonスケーラブルプロセッサを発表した。クロック当たりの処理性能を向上し、機械学習ベースのAI処理も高速化している。なお、既存のCooper Lakeアーキテクチャの製品は継続販売(併売)される。 - 最大5.7GHz駆動で競合を打破――AMDが「Ryzen 7000シリーズ」を正式発表 米国では9月27日発売
AMDがことあるごとに“チラ見せ”してきたRyzen 7000シリーズが、いよいよ正式発表された。まずはハイエンド製品でGPUを統合していない「Xシリーズ」から登場することになるが、その“エントリー”製品でも第12世代Coreプロセッサの最上位製品と同等かそれ以上のゲーミング性能を発揮できるという。【更新】 - AMDがサーバ向けCPU「EPYC 7003シリーズ」を発表 Zen 3アーキテクチャでクロック当たりの性能を向上
AMDがZen 3アーキテクチャを採用したサーバ/データセンター向けCPUを発売する。クロック当たりの性能が向上したことで、実用パフォーマンスもより向上しているという。 - AMD、データセンター向け新プロセッサブランド「EPYC」を発表
AMDは、データセンター向け新プロセッサのブランド「EPYC」の発表を行った。 - ついに! ようやく? 「Intel Maxシリーズ」2023年1月から出荷 HBM付き「Xeon Max」と高密度実装GPU「Intel GPU Max」
Intelが、HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)と機械学習ベースのAI(人工知能)用のCPU/GPUの統一ブランドとして「Intel Max」を立ち上げる。その第1弾製品はSappire Rapidsと呼ばれていたCPU「Xeon Maxプロセッサ」と、Ponte Vecchioと呼ばれていた「Intel Data Center GPU Max」である。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.