ChatGPTベースのWindows 11新機能「Windows Copilot」で何ができるようになる?
Windows 11に対話型インタフェース「Windows Copilot」が導入される。自然な言葉でPC操作ができるようににあり、設定変更やドキュメントの要約などさまざまな機能が使える。
ChatGPTをはじめとする生成AI(Generative AI)が話題だ。既に公開されているさまざまなツールを実際に試してみた人も多いだろう。しかし、日々の仕事や生活に役立てるところまで昇華させるには、現状その挙動や癖を理解して“使いこなす”必要がある。
そんな中、米MicrosoftはWindows 11に米OpenAIのChatGPTをベースにした対話型インタフェース「Windows Copilot for Windows 11」(以下、Windows Copilot)を導入すると発表している。普段私たちが行っているPC操作が、より自然な言葉によって操作できるようになる──それも以前のアシスタント機能「Cortana」のようにコマンドに対して特定の返答が用意されているものではなく、言葉の意図をくみ取って、最終的に何を実現したいのか推測、適切な結果を示してくれるものだ。
Windows Copilotは6月中にプレビュー版が利用可能になる予定だ。本誌でも続報をお届けする予定だが、その前準備として、デモで紹介された「Windows Copilotでできること」を一問一答のような形でまとめてみた。
タスクバーから起動
Windows Copilotを起動するには、タスクバーにあるアイコンをクリックする。右側にサイドバーとしてチャットのような入力画面が表示されるので、実現したいことを自然な言葉で入力する。
要望に合わせたWindows設定変更の提案
デモでは「仕事を進めるためにシステム設定を調整するにはどうすればいい?」と尋ねている。するとCopilotはWindows 11に搭載された「フォーカスタイマー」機能の使用や、目の疲労軽減や集中力アップのためダークテーマに変更することを提案。そのまま設定変更できる。設定画面の深い階層をたどらなくても、すぐにやりたいことを実現できる。
さらに、開いているアプリケーションのウィンドウサイズをいつも仕事で利用している大きさに自動整理するといった芸当まで可能だ。デモでは開発者向けアプリ「Dev Home」と「Visual Studio Code」を横に並べるスタイルを紹介していた。
ユーザーがアプリケーションを日々どのように使っているのかを学んで再現できるのか、Microsoft製アプリケーション以外でも同様のことができるのかなど、分からないことは多いが、こうした“使いこなし”を一般ユーザーでも活用できるようになるのは喜ばしいことだ。
PDFファイルなどの内容を説明、リライト、要約する
Copilotの入力画面にドキュメントファイルをD&Dすると「説明、リライト、要約」という選択肢が現れる。
この機能はPDFだけでなく、Officeファイルなどでも使えるだろう。デモではWebサイトのテキストをそのまま貼り付けて要約させたり、アプリケーションに関連するマニフェストファイルの中身について説明してもらうといった用途が確認できた。
既にGPTなどを活用して要約を行えるツールも出てきているが、WindowsやOfficeの標準機能として搭載されるということは、業務用途でも使えるようになる可能性が高く、その恩恵を受けられる人も増えそうだ。
場面に適した音楽のプレイリストを提案(サードパーティーアプリとの連携)
デモで「仕事中におすすめの音楽は?」と尋ねたところ、Spotifyのおすすめプレイリストを提示。そのうちの一つを選ぶとSpotifyアプリケーションが起動して音楽再生が始まる。
これは単なる音楽再生の紹介ではなく、Copilotがサードパーティー製アプリと連携できることだ。Microsoftはプラグインを通じてCopilotの機能を拡張できることを表明している。アプリケーション側が対応を進めれば、Copilotはもっと便利になるだろう。
クリエイティブ作業の手法を提案
「コーヒービジネスのロゴを作成するには?」と尋ねると、Copilotはオンラインデザインツール「Adobe Express」を使うように勧めてくる。同時に表示されたボタンを押すと、先ほどの質問に沿ったロゴのテンプレートが表示された状態でAdobe Expressが立ち上がる。
コミュニケーションアプリ(Teams)との連携
先ほど作ったロゴをCopilotに貼り付けて「Teamsにいるデザインチームに送れますか?」と問いかけると、Teamsが立ち上がってそのまま送信される。
これまで別々のアプリケーションを立ち上げて、目的の送信先を探し──といった作業が非常にシンプルに済みそうだ。
Microsoft 365 Copilotとの連携で可能性は広がる
Windows CopilotはOSの設定変更や作業の補助を実行できる機能として活用が期待できそうだが、さらにOfficeなどにCopilotが組み込まれる「Microsoft 365 Copilot」との連携も強化されていくだろう。
デモではOutlookのカレンダーに登録されている会議の内容についての要約をWindows Copilotから指示するシーンもあった。
まさにCopilot(副操縦士)というネーミングが示す通り、複雑なPC操作を補助してくれるもので、これが普及すれば今よりさらに多くの人、例えばPCに詳しくない一般的なユーザーでも生成AIの恩恵を感じられ、その利便性を実感できるようになると期待している。
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