実売3千円台の低価格パンチルト対応ネットワークカメラはどこまで使える? 試して分かったこと:山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/4 ページ)
スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は低価格なカシムラ「KJ-182」試してみた。
セットアップの時点でやや「?」な挙動も
ではセットアップの過程から見ていこう。まずは利用するアプリのSmart Lifeで、該当のモデルを選択した後に、画面に表示されるQRコードを読み込ませてWi-Fiの設定を行う。最近のネットワークカメラではよくあるフローだ。
しかしこのSmart Lifeアプリを使ったセットアップでは、筆者のAndroidスマホからは何度やってもタイムアウトしてしまい、セットアップを完了できない事態に遭遇した。最終的にiOS(iPhone)に切り替えたところ、失敗のメッセージは出るもののデバイス一覧画面に戻ると追加されているという不可解な挙動ながら、何とかセットアップが完了した。
このSmart Lifeアプリは複数のメーカーが採用する汎用アプリだが、筆者は過去に本アプリを利用する他製品でも似た挙動に遭遇したことがある。そもそも他社のネットワークカメラでは発生したことがない事象ゆえ、アプリ側の不具合、もしくはさまざまな環境での検証が不足しているように感じる。
今回は前述の失敗メッセージが出たにも関わらず、ホーム画面にアイコンが追加されていた。どうやら完了したようだ(左)。タップするとホーム画面が表示される。プレビューが表示されるまで相応の時間がかかる(中央)。プレビューの表示が完了した(右)
こういった原因不明の挙動とは別に、製品の仕様にまつわる制限もある。それはSSIDのパスワードが、上限20文字までしか対応しないことだ。
本製品のWi-Fiは、この手のカメラではありがちな2.4GHz帯のみの対応だが、2.4GHz帯のSSIDを選択して20文字以上のパスワードを入力すると、エラーが出て続行できなくなる。そのため今回は仕方なく、既存のSSIDとは別に、パスワードを20文字以下に設定した2.4GHz帯のSSIDを新規作成し、そこにつないだ。
筆者の場合、たまたま複数のSSIDを持てるルーターだったため新規にSSIDを追加するだけで済んだが、周波数帯域ごとに1つのSSIDしか持てないルーターだと、既存のSSIDのパスワードを書き換えなくてはならず、結果的に他デバイスまで全て設定をやり直さざるを得なくなる。これはかなりの負担だ。
それだけの手間をかけたとしても、前述のように正体不明のエラーで設定が完了できない場合もある。20文字以上のパスワードを設定しているユーザーは多くはないだろうが、そもそも制限があること自体が不可解ではある。ビギナーが遭遇したら、早々に挫折しかねないだろう。
機能は十分でタイマー指定録画などユニークな機能も
何とかセットアップが終わったので、具体的な機能や使い勝手について検証していこう。比較対象は、本製品と外見がよく似たSwitchBotの「見守りカメラ(屋内カメラ)」だ。
まずざっくり言ってしまうと、一般的なパンチルト対応ネットワークカメラが持つ機能は、本製品はそのほとんどを備えていると言ってよい。ホーム画面の上半分にはプレビューが表示されており、プレビュー上でスピーカーのオン/オフ、画質の調整、拡大縮小などの操作を行える。
またホーム画面の下半分に表示されているメニューからは、カメラのパンチルト操作に加え、手動でのスナップショット撮影や録画、それらの閲覧、モーション検知で自動録画されたデータの再生、マイクを使ってのカメラ前の人への話し掛けが行える。
マイク機能は片方向はもちろん、双方向も選択できるし、モーション検知はメッセージおよび電話への通知にも対応している。さらにSDメモリーカードを挿入することで、長時間の録画や常時録画にも対応する。スケジュール設定による録画など、あまり見かけない機能も備えている。
これらのユーザーインタフェースは全て日本語表示なので、中途半端に翻訳した海外製品のような違和感もない。UIデザインは全体的にそっけないが、変にゴテゴテしたタイプよりも、こちらの方がシンプルで好みという人も少なくないはずだ。
強いて挙げれば、カメラの色合いが、蛍光灯下ではかなり青みがかって見えるが、それほど気になるレベルではない。また画角が極端に狭いといったこともない。いい意味で“普通”だ。
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