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Intel“逆襲”の鍵はやはり「AIプロセッサ」か 次世代CPU「Core Ultra(Meteor Lake)」を解説(後編)(2/4 ページ)

Intelが「Meteor Lake」というコード名で開発してきたCPUを「Core Ultraプロセッサ」としてリリースすることを発表した。この記事では、SoC Tileに搭載されているNPUやディスプレイ/メディアエンジン、Graphics Tile(内蔵GPU)やI/O Tile(入出力インタフェース)について解説する。【訂正】

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強化された「ディスプレイエンジン」「メディアエンジン」

 SoC Tileには、LP EコアやNPU以外にも、PCを構成する上で重要な機能が搭載されている。映像出力回りをつかさどる「Xe Display Engine」と、動画のエンコードやデコードを担う「Xe Media Engine」は、その典型例だ。

 いずれのエンジンも、名前に自社製GPUアーキテクチャである「Xe(エックスイー)」を冠しているが、Graphics Tile(GPU)には搭載されていない。I/O Tileにある映像出力インタフェースを含めて、あえて“分散”させている。

分散してます
Meteor Lakeでは、グラフィックス回りの機能を意図的に“分散”させている

Xe Display Engine:最新の映像出力規格も対応

 Xe Display Engineは、先述の通り映像出力回りの制御を担う。ただし、ディスプレイ出力インタフェースはI/O Tileに搭載されている。

 映像出力は、最新の「HDMI 2.1」や「DisplayPort 2.1(最大20Gbps×4レーン=80Gbps)」に対応している。超高解像度/超高リフレッシュレートの映像出力も可能で、以下のような映像フォーマットに対応している(一部はデータを圧縮した上で伝送される)。

  • 8K(7680×4320ピクセル)/60Hz/HDR
  • 4K(3840×2160ピクセル)/60Hz×4画面
  • フルHD(1920×1080ピクセル)/360Hz
  • WQHD(2560×1440ピクセル)/360Hz
Display Engine
Xe Display Engineは、I/O Tileにあるディスプレイ出力インタフェースと協調して映像出力回りをつかさどる
対応フォーマット
ディスプレイ出力は最新規格に対応している

Xe Media Engine:AV1のデコード/エンコードにも対応

 Xe Media Engineは、最大で8K/60fps/HDRのデコードとエンコードに対応する。対応コーデックは「VP9」「H.264(MPEG-4 AVC)」「H.265(HEVC)」だけにとどまらず、「AV1」のデコードとエンコードにも対応している。

 機能面から見ると、最近の独立GPUに統合されたメディアエンジンに見劣りしないスペックだ。

Media Engine
Meteor Lakeでは、メディアエンジンをGraphics Tile(GPU)から分離する形で設置している
コーデック
デコード、エンコード共に「8K/60fps/HDR」に対応。独立GPUに見劣りしないスペックを備えている

 SoC Tileには他にも、DDR5/LPDDR5(X)規格のメモリに対応する「メモリインターフェース」、Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)/Wi-Fi7(IEEE 802.11be)規格に対応する無線LANやBluetooth 5.xなど、無線通信をつかさどる「無線通信ブロック」などが統合されている。詳細な機能については、I/O Tileの解説の節に掲載する模式図で確認してほしい。

 続けて、GPUコアを内包するGraphics Tileの説明に進もう。

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