「Windows 11(バージョン22H2)」に新バージョンの機能を“先行体験”できる機能アップデート登場:オプション更新
Microsoftが、Windows 11(バージョン22H2)の月例更新のプレビュー版の配信を開始した。オプション更新となるが、適用すると次期バージョン(バージョン23H2)に実装される新機能や仕様変更を先行体験できる。ただし、一部の新機能/仕様変更はすぐに試せるとは限らないので注意が必要だ。
Microsoftは9月26日(米国太平洋夏時間)、Windows 11(バージョン22H2)向けのオプション更新プログラム「KB5030310」の配信を開始した。オプション更新なので手動で適用する必要はあるが、「Windows 11 2023 Update(バージョン23H2)」に盛り込まれる新機能や仕様変更の多くを先行して試せるが、注意点もある。
本更新の概要
今回の更新は、セキュリティ更新を含まない「累積更新プログラムのプレビュー」として配信されている。オプション扱いなので、設定の「Windows Update」において「インストール」をクリックしない限りはインストールされない。
今回の更新では、150を超える新機能や仕様変更が盛り込まれている。ただし、全てがすぐに有効になるとは限らない(詳細は後述)。主な新機能や仕様変更としては、以下のものが盛り込まれている。
- AIエージェント機能「Microsoft Copilot in Windows」のプレビュー実装
- 「エクスプローラー」のUI(ユーザーインタフェース)の一部変更
- エクスプローラーで直接取り扱える圧縮ファイル形式の拡充
- 「クイック設定」からオーディオ入出力デバイスの切り替えが可能に
- 「Unicode Emoji(ユニコード絵文字)」の第15版の反映
- 「ナレーター」が日本語を含む10言語に新規対応
- 「設定」に「ホーム」を追加
目玉となる新機能の1つである「Microsoft Copilot」のプレビュー版。タスクバーにもアイコンが追加される(タスクバーの設定から非表示にできる)。アイコンが表示されていない場合でも、「Windowsキー+Cキー」のコンビネーションでも呼び出し可能だ
今回の更新では複数の不具合の解消も行われている。解消される主な不具合は以下の通りだ。
- OutlookアプリでPDFファイルをシェアしようとすると、Excelアプリが停止する
- 韓国語のタッチキーボードでタスクバーの検索ボックスに文字を入力すると、意図せず最初の1文字で確定されてしまう
- タスクバーの検索ボックスの「ヒント」が正しい場所に表示されない
- 検索ポップアップボックスの「検索」ボタンが消えてしまう
- スリープから復帰すると「Windows 入力エクスペリエンス」という空白のウィンドウが表示される
- 「iCloud for Windows」アプリを使うと、Outlookアプリで「iCloudカレンダー」や「連絡先」が正しく同期できなくなる(Appleのサポート情報)
また、主に以下の仕様変更も含まれている。
- 中国のフォント規格「GB18030-2022」への完全準拠
- グリーンランドにおける夏時間の変更への対応
- 英語UIにおけるウクライナの首都の表記変更(Kiev→Kyiv)
新機能が有効にならない場合は?
今回の更新を適用するとWindows 11 2023 Updateに盛り込まれている新機能や仕様変更の多くを先行して試せる。ただし、一部の新機能や仕様変更は「CFR(Controlled Feature Rollout)」によって解禁タイミングが制御されるため、すぐに有効になるとは限らないので注意が必要だ。
少しでも早く新機能や仕様変更を試したい場合は、設定のWindows Updateにおいて「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」のスイッチを入れておくことをお勧めする。
筆者が所有するWindows 11搭載PCのうち3台に今回の更新を適用したのだが、英語UIで運用している1台だけ「Microsoft Copilot(プレビュー版)」が有効にならなかった。そこで「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」のスイッチをオンにして更新を確認したところ、「Windows構成アップデート(KB5030509)」が適用され、再起動すると利用可能になった
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