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ガラケー型スマホ「Mode1 RETRO II」は、必要最小限な会社用ケータイ ただし、使い勝手に改善点もあり「目指せ↑ワンランク上の仕事術」デジモノ探訪記(2/2 ページ)

企業や組織のIT部門を支援してきた石黒直樹氏が、実際に使っていて仕事に役立つと思ったものや、これから登場する新製品、新サービスをいち早く試してレビューする連載。今回は「Mode1 RETRO II」をピックアップ!

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残念なのは、結局のところ画面のタッチ操作が必要なこと

 物理キーの操作で完結することを期待したのですが、アプリによってはボタンでスクロールできないなど、うまく操作できないケースが発生します。結局、画面側をタッチしなくてはならず、これだとただの画面が小さいスマホになってしまいます……。

 例えば小型のトラックボールやジョグダイヤルのような、マウスのように操作できるキーが搭載されているとよかった気がします。マルチタッチに対応した小型のタッチパッドもよいですね。画面のタッチ操作が代替できるようなボタンがあれば、一気に化ける端末のようにも感じます。Android自体はマウス接続で操作できますので、ソフトウェア的な難易度は低いのかなとも思います。

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ホイール部分がただのボタンなのが非常に惜しい。ここに優秀な操作キーが搭載できれば、一気に化ける気がします

レザー調の本体は面白いが、白は汚れが気になる

 もう1つユニークなのがレザー調の外観です。手で握ったときに滑りづらくなる効果もあります。もともと本体重量は約145gと軽く、握りやすさと持ちやすさが相まって使いやすいです。

 試用機は「シープホワイト」でした。しかし、汚れがつかないかは非常に気になりました。汚れた手でスマホを触らないといけない時がどうしてもありますので、キレイな白はちょっと気になりますね。

 カラーバリエーションとしてはシープホワイト以外に「ウルフブラック」があります。私が購入するとしたらウルフブラックを選びます。

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ウルフブラック(写真=左)もカッコイイ

これ1台に集約するのは厳しいが、会社用ケータイに最適ではないか

 今のご時世からすると画面が小さすぎるのは否めないです。画面サイズは約3.5型(720×1440ピクセル)です。アプリによっては窮屈さを強く感じることでしょう。また、NFCは搭載していますがFeliCa非対応なのでおサイフケータイは使えません。

 スマホで何でも行う現代では、持ち歩くスマホをこれ1台とするのは難しい印象を受けます。しかし、サブと考える場合はアリではないかと感じました。

 例えば、会社用ケータイとしての貸与です。会社用ケータイは、大抵の人は2台目の端末となるでしょう。過去、私も会社用と個人用のiPhoneを2台持ちしていた時がありますが、会社用ケータイを個人利用するわけにもいかず、ただ重くて大きいだけで、電話やメールくらいしか使わない端末になっていました。その2台目の端末が、軽くてコンパクトで持ち運びが楽だとしたらどうでしょうか。

 会社用ケータイは、一般的には電話やメール、チャットツールなどで業務応対ができれば大きく困ることはないでしょう。いろいろな業務アプリを試してみましたが、Slack、Teams、Chatworkなど特に問題なく使う事ができました。インカメラもありますので、例えばTeamsでオンライン会議の実施も問題ありません。ただし、先述の通り、半分くらい折りたたんだ状態で固定するのが微妙であるため、その点は残念です。こう見えて指紋認証機能も搭載しているので、認証面の利便性も問題ありません。

 なお、画面が小さすぎるとは書きましたが、物理キーがあることで画面にソフトウェアキーボードを表示せずに入力することができるので、意外と広く使えます。

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画面にソフトウェアキーボードを表示する必要がないため、表示領域は広いです

 また、パカパカケータイは、画面の傷を気にしないで持ち運べるという利点があります。かばんに突っ込んでも、折りたたんでいれば画面は傷つかないため安心です。

 何でも快適に操作ができると、ついスマホを使ってしまい、業務の妨げになることがあります。画面が小さいが故に、操作性や視認性はどうしても低くなります。ブラウジングや動画視聴などは使えるものの、快適ではありません。こうした業務に関係のない使い方を抑止できるのは会社用ケータイとしてはうってつけではないでしょうか。ただし、microSDメモリーカードが挿せるので、セキュリティ面では少し注意が必要かもしれません。

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