OCuLinkで外部GPUも使える小型PC「Minisforum UM780 XTX」の純粋なパフォーマンスを検証する(1/3 ページ)
幅広い拡張性と幅広いニーズに応えられるという一般利用にも、“逸般”利用にももってこいな1台が定価で9万5980円から購入できるのはなかなか強烈だ。
小型PCですっかりおなじみのMinisforum(ミニスフォーラム)から登場した「UM780 XTX」は、一見すると「Ryzen 7 7840HS」を搭載した普通の小型PCだが、実は「OCuLink」に対応しているのが特徴のモデルだ。
OCuLink(SFF-8612)とは、PCI-SIGが策定した外付けPCI Express(PCIe)の規格だ。M.2スロットを1つ犠牲にする代わりに、本来なら小型PCに搭載できないサイズの大きなPCIe規格のカード──例えばグラフィックスカードなどを接続できる。
UM780 XTXはPCIe 4.0 x4をOcuLinkでサポートしている。データ転送速度が理論値で64Gbpsとなっており、USB4ポートの40Gbps(デュアルレーン)に対して優位性がある。また、OcuLinkはUSB4と比べ安定性に軍配が上がることから、コンシューマー向けの端末だけでなく、エンタープライズ向けのオールフラッシュストレージエンクロージャでも採用されている。
とはいえ、デスクトップPCのようにPCIe 4.0 x16をサポートするような端末にGPUを搭載したときと比べると、理論値ではデスクトップPCの65%程の性能となるため、GPUの性能を100%までは引き出せないので注意が必要だ(処理によっては大きな差がでないこともある)。
残念ながら今回はテスト環境が用意できなかったため、OcuLinkについては紹介だけに留めるが、普段エンタープライズ向けの製品でしかOcuLinkを見ていなかった筆者としては、「UM780 XTXのような小型PCに搭載されているなんて」と驚いたものだ。
天板が赤、緑、青に光るぞ……!?
UM780 XTXは他の小型PCではなかなか見ない個性的な特徴もある。それが、天板のバックライトだ。天板が半透明になっていて、その下にバックライトが用意されている。定期的に「赤→緑→青」の順に光る。今回借りたモデルは公式サイトで「虎あり」モデルとなっており、虎のデザインをかたどったエッチングシートが付属していた。
「虎なし」モデルにはこの虎のエッチングシートが付いておらず、そのままでは天板が「赤→緑→青」の順に光るだけだ。自分でエッチングシートをデザインして挟み込んでオリジナルのデザインを楽しめるだろう。
バックライトの点灯が不要であれば、BIOSの設定にある「RGB LED」で消灯させることも可能だ。
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