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「LPCAMM2」でオンボードメモリがなくなるかも? Micronがプッシュする新型メモリモジュールのメリット(2/2 ページ)
MicronがノートPC向けの「LPCAMM2」なる新型メモリモジュール規格の説明会を開催した。従来のノートPCで使われてきた「SO-DIMM」と比べて、どのようなメリットがあるのだろうか。
LPCAMM2のメリットは?
現在、LPDDR5(X)規格のメモリを搭載するPCは、マザーボードに“直接”メモリチップを実装している。そのため、後からメモリの増設/換装ができないという問題点を抱えている。
そのため、メモリを増設/換装できることを優先する場合、現状ではDDR5規格のSO-DIMMを採用することになる。しかし、LPDDR5(X)規格のメモリと比べると、メモリへのアクセス速度や消費電力の面で不利になりやすい。
そこで登場するのが、LPCAMM2だ。LPCAMM2は、LPDDR5(X)規格のメモリチップを搭載したモジュールとなる。ゆえに、DDR5規格のSO-DIMMを使う場合と比べて以下のメリットを得られる。
- メモリのアクセス速度を高められる
- 規格上は最大毎秒9600MBまで対応可能
- メモリの換装が可能になる
- 容量を増やしたいユーザーは、後からモジュールを購入して対応可能
- メーカー側も、メモリ容量の異なるマザーボードを作り分けなくて済む
- 消費電力を削減できる
- DDR5規格のSO-DIMMと比べると最大57〜61%削減可能
- スタンバイ(スリープ)中は削減幅が最大80%に拡大
- 設置面積を削減できる
- DDR5規格のSO-DIMM比で最大で64%削減可能
なお、LPCAMM2はモジュール上に最大で4枚のLPDDR5(X)規格のメモリチップを搭載できる。モジュールのメモリ容量は、規格上は最大128GBまで対応可能だが、メモリチップのラインアップ的には現状では64GBが容量の限界となる。より大容量なモジュールを開発するには、メモリチップの集積度向上が必要だ。
Micronでは、いわゆる「AI PC」の普及につれて、PCに求められるメモリ容量が増大していくと考えているという。この流れを受けて、同業他社やプラットフォーマー、PCメーカーと共同でLPCAMM2モジュールの普及を進めていく考えだ。
オンデバイスでAI処理を行える「AI PC」では、AI処理により多くのメモリ容量が求められる。LPCAMM2を使えば、薄型ノートPCでもより多くのメモリを搭載しやすくなり、状況に応じて容量を変えやすくなるので便利だという
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