つらい花粉症を和らげる秘訣は「対流花粉」対策――石井正則医師が伝える空気清浄機と床掃除の重要性:今どき! 買いどき! デジモノ道案内!(3/3 ページ)
花粉症シーズンがやってきた。最近では、屋内外問わず「つらい」と感じる人が増えている。飛散量が例年並みと予想されている今シーズンをどのように乗り切ればよいだろうか。アイロボットジャパンの「住環境における花粉対策 メディア向けセミナー」でゲストスピーカーを務めた石井正則医師(耳鼻咽喉科)の話を聞いてみよう。
Klaara p7 Proは価格相応の“モンスタースペック”に注目
Klaara p7 Pro(以下「クラーラ」)の価格は16万9800円(税込み、以下同)だ。空気清浄機としては高価な部類に入る。しかも、iRobot(アイロボット)ブランドとしては“初めて”の製品だ。
イベントの進行役を務めたアイロボットジャパンの村田佳代氏(シニアコミュニケーションズマネージャー)も、「(クラーラの)第一印象は『高い!』かもしれません」と認める。「加湿機能も除湿機能もない、空気清浄機能に特化した製品なのに『なぜこの価格なの?』と疑問を持つ人もいることでしょう」とした上で、この値付けの理由を同社の渡邉峻氏(シニアセールストレーナー)に尋ねた。
渡邉氏によると、クラーラは「価格に見合ったモンスタースペックを持っている」という。どういうことなのだろうか。
継ぎ目の多い空気清浄機では、吸い込んだ汚れた空気をそのまま外部に漏らしてしまうことがある。しかし、クラーラは汚れた空気を逃さない独自の密閉構造を持っている。その1つが、外観でもわかる継ぎ目のない一体型ボディーだ。これはコストの掛かる金型を使って整形されている。
2つ目が内部構造だ。吸い込んだ汚れた空気が必ずフィルターを通過するような密閉構造を採用している。フィルターは「プレフィルター」「カーボンフィルター」「HEPAフィルター」ーの3層構造で一体型。カセットのように脱着できるため、手間がかからないのもポイントとなる(渡邉氏)
作る時点で、それなりに多くのコストが掛かっているのだ。
3層構造の一体型フィルターは、別の意味で“モンスター級”だ。何と重さが約4.6kgもあるのだ。
重たいことには理由がある。3層のうちカーボンフィルターに封入されている活性炭の量が、他社の一般的なカーボンフィルターの約3倍も入っているという。それは重たくなるはずである。
加えて、クラーラーにはロボット掃除機ルンバと同じ「iRobotOS」が搭載されている。これにより、自社のロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」と連携したり、音声アシスタント(Google アシスタント/Amazon Alexa/Siri)に対応したりしている。
もちろん、「iRobotアプリ」で稼働スケジュール設定をしたり、状況を確認したりすることも可能だ。
本体背面のセンサーは、毎秒10回のセンシングを行い、0.1μmの粒子を検出する。自動モードにしておけば、部屋の空気の汚れ度合いに応じて、風量を自動調節してくれる。
会場内では、その様子をデモを交えて説明してくれた。まず、山田剛執行役員が制汗スプレーをセンサーの前で数秒噴射すると、アプリで「室内AQI(Air Quality Index:空気質の汚染度を示す指標)」がぐんぐん上がり「危険」なレベルに達した。
と同時に、クラーラのファンがフル回転し、空気の浄化を開始。1分10秒ほどで元の値まで戻した。
次に、別室からルンバを呼んできて、クラーラのあるリビングを模した部屋の掃除機がけを行うデモが行われた。
ルンバがリビングで掃除を始めると、舞い上がったであろうホコリを含んだ空気を浄化すべく、クラーラのファンの回転数が上がった。もし花粉が床に落ちている環境だったら、対流花粉をより効率的に除去できるだろう。
クラーラを買いやすくする取り組みも
解説やデモを通じて、クラーラが花粉対策に有効なことがよく分かった。とはいえ、16万9800円という価格は、空気清浄機としては“高い”ことには変わりない。そうやすやすと手は出せない。
当然、アイロボットジャパンとしても、その不安は把握している。そこで、購入して満足できなかった場合、発送から30日以内に連絡すれば返品と全額返金を受け付ける「花粉保証サービス」を実施している。期間は2月1日から3月31日までとなる。
クラーラ単体の他、「ルンバ コンボ j9」または「ルンバ コンボ j9+ SD」とのセット製品も対象となる。
この他、クラーラは同社の有料サブスクリプションサービス「ロボットスマートプラン+」で利用することもできる。月額利用料は6280円で、最低利用期間は6カ月間となる。3年間継続して契約すると、利用権はユーザーに移行する。
「一気にお金を払うのは難しい」という人は、サブスクリプションでの導入も検討したい。
花粉症の症状が深刻な人、そのためにパフォーマンスを発揮できず気持ちまで落ち込んでいるという人であれば、試してみるのがいいかもしれない。
関連記事
- ロボット掃除機「ルンバ コンボ j9+」と、ルンバと連動する空気清浄機「Klaara(クラーラ) p7 Pro」
アイロボットジャパンが、新型ロボット掃除機「ルンバ コンボ j9+」と、ルンバと連動する新型空気清浄機「Klaara(クラーラ)p7 Pro」を発表した。発表に合わせて、iRobot会長兼CEOのコリン・アングル氏らが姿を見せた。ここでは、ごみの吸引も水拭きも1台で済むルンバ コンボ j9+、完全密閉できれいな空気を届けるKlaara p7 Proを解説する。 - 神田明神のすす納めに「ルンバ」登場 一体なぜ?
東京都千代田区にある「神田明神(神田神社)」で、毎年12月12日に行われる「煤(すす)納め」。例年とは異なり、今年(2023年)の煤納めでは、アイロボット製のロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」が登場した。一体なぜなのだろうか? - 「できたできた!」の声が響くSTEMプログラミング出張授業 アイロボットジャパンの場合
アイロボットジャパンによるSTEMプログラミング出張授業が、東京・世田谷の下北沢小学校で開催された。対象となったのは小学2年生。「いちばんえらい人」の登場や、プログラミングロボットRoot100台の寄贈式もあった本授業で、子どもたちは何を学んだのか。 - メンテ作業不要のロボット掃除機で在宅ワークが快適に! エコバックス「DEEBOT X1」シリーズが狙うもの
エコバックスジャパンが、10万円台半ばから20万円前後の高機能ロボット掃除機の「DEEBOT X1」シリーズを発表した。日本市場はまだまだロボット掃除機の伸び代があるという、同社の狙いを聞いた。 - 広角カメラを使って障害物を効率的に回避――ロボット掃除機「ルンバ j7/j7+」が日本上陸 2月10日発売
米iRobotのロボット掃除機「ルンバ(Roomba)」の新モデルが日本でも登場する。本体に搭載した広角カメラによって障害物をより効率的に避けられるようになった他、クリーンベース(ゴミ収集機)付きモデルではベースのデザインを横長とすることで、外観をスッキリとさせている。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.