Core Ultra搭載でAI PC化した「Surface Pro 10」「Surface Laptop 6」登場 ただし法人向けモデルのみ:Office付きで約20万円から
MicrosoftがSurface ProとSurface Laptopの新世代を発表した。ただし、従来とは異なり法人向けモデルのみの発表となり、個人(コンシューマー)向けモデルの登場は未定となっている。
Microsoftは3月21日(米国太平洋時間)、新型ノートPC「Surface Pro 10 for Business」「Surface Laptop 6 for Business」を発表した。日本でも4月9日に発売される予定で、直販価格(※1)は両モデル共に20万3280円(税込み)からとなる。
(※1)日本の直販モデルは、Webで注文すると「Microsoft Office Home & Business 2021」のライセンスが付属する(Microsoft Officeライセンスなしを希望する場合は、電話窓口に問い合わせる必要あり)
Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)を搭載するSurface Pro 10 for Business(左)とSurface Laptop 6 for Business(右)が新たに登場した(Surface Pro 10 for Businessのキーボードは別売)
新モデルの概要
Surface Pro 10 for BusinessとSurface Laptop 6 for Businessは、それぞれ「Surface Pro 9」「Surface Laptop 5」の法人向けモデル(for Business)の後継モデルとなる。従来のSurface ProシリーズとSurface Laptopシリーズは、個人向けと法人向けの両モデルを同時に発表してきたが、今回は法人向けモデルのみの発表で、個人向けには現行モデルを継続販売する方針のようだ。
CPUはIntelのCore Ultraプロセッサ(シリーズ1)で、Surface Pro 10はUシリーズ、Surface Laptop 5はHシリーズから選べる。いずれもAIプロセッサ(NPU)「Intel AI Boost」を内包しており、オンデバイスでの推論ベースのAI処理パフォーマンスが向上している。Surface Laptop 6については、キーボードにCopilotキーを新規搭載した他、Surface Pro 10で利用できる「Surface Pro キーボード」シリーズの法人向けモデルにもCopilotキー付きが登場する(※1)。
(※1)Surface Pro 8/XおよびSurface Pro 9向けに発売された既存のキーボード(Copilotキーなし)も利用可能。なお、Copilot in Windowsの使えない国/地域でCopilotキー付きキーボードを装着した場合、Copilotキーを押すとWindows Searchが起動する
メモリはLPDDR5x規格(増設/換装不可)で、容量はモデルによって8GB、16GB、32GB、64GBのいずれかとなる。ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDで(交換可能)、容量は256GB、512GB、1TBから選べる。
Surface Pro 10で使えるSurface Pro キーボードシリーズのうち、法人向け製品は今後Copilotキー付きに置き換わる。写真は新登場のアクセシビリティー配慮型「Surface Pro キーボード(ペン格納トレイ付き)」で、通常モデルよりもキートップの文字の太さと大きさが増している(米国/カナダ限定販売)
ディスプレイはSurface Pro 10が13型(2880×1920ピクセル)、Surface Laptop 6が13.5型(2256×1504ピクセル)または15型(2496×1664ピクセル)のPixelSense(液晶)で、いずれも個別のカラーキャリブレーションを施した上で出荷されており、タッチ操作とペン入力(MPPプロトコル準拠)にも対応する。Surface Pro 10のPixelSenseディスプレイは最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートにも対応する。
WebカメラはWQHD(2560×1440ピクセル)撮影と顔認証に対応するセンサーを搭載している。ただし、WQHDでの撮影を想定したというよりも、NPUを活用した「Windows Studio Effects」のフレーミング機能を使ってもフルHD(1920×1080ピクセル)の映像を伝送できるようにするための“ゆとり”という位置付けのようだ。Surface Pro 10については、4K(3840×2160ピクセル)撮影に対応するアウトカメラも搭載している。
Surface Laptop 6 for Businessは、従来通り13.5型と15型の2サイズ構成となる。ボディーカラーはブラック(左)とプラチナ(右)の2つから選べる(Surface Pro 10も同様)
ポート類は以下の通りで、Thunderbolt 4(USB4)端子はUSB PD(Power Delivery)による電源入力と、DisplayPort 2.1 Alternate Modeによる映像出力にも対応する。
- Surface Pro 10:Thunderbolt 4×2、Surface Connectポート、キーボードポート、NFC
- Surface Laptop 6(13.5型):Thunderbolt 4、USB 3.2 Gen 2 Standard-A、3.5mmヘッドフォンジャック、Surface Connectポート
- Surface Laptop 6(15型):Thunderbolt 4×2、USB 3.2 Gen 2 Standard-A、3.5mmヘッドフォンジャック、Surface Connectポート、スマートカードリーダー(一部構成のみ)
ワイヤレス通信は、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応する。Bluetooth LE Audioも利用可能だ。なお、Surface Pro 10 for Businessについては、2024年後半にモバイル通信対応モデルが追加される予定となっている。
Surface Laptop 6 for Businessの15型モデルには、スマートカードリーダーを搭載する構成も用意される。企業でスマートカード(接触式ICカード)で認証に使っている場合も導入しやすい(なお、Surface Pro 10 for BusinessではNFCカードを用意すれば同じような使い方ができる)
今回の新モデルでは、サステナビリティーの観点からユーザーが自分で交換できる部品の点数も増えている。ただし、交換に必要な部品や工具の調達方法、部品交換に伴う保証(保守サービス)の取り扱いは国/地域によって異なるので注意が必要だ。
バッテリー駆動時間(自社計測値)は、Surface Pro 10が最長19時間、Surface Laptop 6が最長18.5時間となっている。ボディーサイズと重量は以下の通りだ。
- Surface Pro 10:約287(幅)×208.6(奥行き)×9.3(厚さ)mm、約879g
- Surface Laptop 6(13.5型):約308(幅)×223(奥行き)×16.7(厚さ)mm、約1.38g
- Surface Laptop 6(15型):約340(幅)×244(奥行き)×16.9(厚さ)mm、約1.68kg
関連記事
- 「Surface Pro 9」はIntelモデルとArmモデルの“2本立て” Windows 11 Bloomから着想を得たスペシャルモデルも
キーボード着脱式(デタッチャブル)2in1の定番ともいえる「Surface Pro」に第9世代が登場する。今回は“別系統”扱いだったArmアーキテクチャモデルが「5Gモデル」に、メインストリームであるIntelアーキテクチャモデルが「Wi-Fiモデル」という形で登場することになる。【更新】 - クラムシェル型「Surface Laptop」は5代目に 13.5型と15型の2サイズを展開
Microsoftのクラムシェル型ノートPC「Surface Laptop」に第5世代モデルが登場する。今回は13.5型と15型の2サイズで、共にIntelの第12世代Coreプロセッサを搭載したことが特徴だ。【更新】 - Microsoftが「Windows 11」の新機能を紹介 タスクバーから「新しいBing」へのアクセスが可能に iOS版「Phone Linkアプリ」のプレビューも
Microsoftが3月のセキュリティ更新で実装を予定している新機能を発表した。この記事では、主な新機能を紹介する。 - 洗練されたデザインが魅力のベーシックモデル「Surface Laptop Go 3」を試す
- 3スタイルで運用できるプレミアムな2in1ノートPC「Surface Laptop Studio 2」を試す
「Surface Laptop Studio 2」のハイスペックモデル(Core i7-13700H、NVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPUを搭載)で、その性能や使い勝手をレビューする。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.