2025年までに「AI PC」を1億台普及させる――Intelが普及に向けた開発者支援をアップデート ASUS NUC 14 Proベースの「開発者キット」を用意
Intelが、2025年までに「AI PC」を1億台普及させることを目的とする開発者支援プログラムをアップデートした。ソフトウェア開発者向けにはASUS NUC 14 Proベースの「開発者キット」を用意し、ハードウェア開発者にはIntelのリソースをフル活用して検証などを行う機会を提供するという。
Intelは3月26日(米国太平洋時間)、独立系のソフトウェア開発者(ISV)とハードウェアベンダー(IHV)を支援するプログラム「Intel AI PC Acceleration Program」の最新の取り組みを発表した。開発者やベンダーが利用できる情報の拡充を図る他、ISVには新たな「開発者キット」を提供する計画だという。
取り組みの概要
Intel AI PC Acceleration Programは、自社のNPU統合型CPUを搭載する「AI PC」を2025年までに1億台普及させるという目的のもと、2023年10月に立ち上がった。
新たな取り組みでは、ISVに対してASUSTeK Computer(ASUS)の「ASUS NUC 14 Pro」をベースとする開発者キットを提供する。このキットには、開発に必要なソフトウェアスタックがプリインストールされており、Intelが推進する「OpenVINO」だけでなく、「ONNX」「DirectML」「Web Neural Network(WebNN)」といったNPUを利用するための各種APIを使ったソフトウェア開発をすぐに始められるようになっている。
Intelでは、今後も新しい「開発者キット」が登場したらISVに早く提供できる体制を構築するという。
一方、IHVに対してはIntelのリソースを利活用したハードウェア開発支援を受けられるようになるという。一例として、以下の支援が用意されているという。
- 台湾、中国、米国における「Intel Open Labs」のサポート
- プログラムへの参加準備/最適化を行う機会
- Intelのリソースやリファレンスハードウェアに常時アクセスする機能
- IHVの技術をOEMパートナー(PCメーカー)に紹介する機会の提供
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- これからの時代の「AI PC」たる条件は3つ! IntelとMicrosoftが定義を策定
Intelが昨今提唱している「AI PC」。ある意味で曖昧だったその定義を、同社とMicrosoftが共同で定めた。今後は、3つの要件を満たすPCを「AI PC」として訴求していくことになる。 - 「ASUSのNUC」が初登場 Core Ultra搭載の「ROG NUC」と「NUC 14 Pro」「NUC 14 Pro+」
ASUSが、Intelから移管されてから初めて「NUC(Next Unit of Comuputing)」の新製品を発表した。NUCのメインストリームであるコンパクトな「NUC Proシリーズ」に加えて、自社の「ROG(Republic of Gamers)」ブランドを冠したゲーミングモデルも登場する。 - IntelがvPro対応「Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)」「Coreプロセッサ(第14世代)」を発表
Intelが「Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)」「Coreプロセッサ(第14世代)」におけるvProプラットフォームの対応状況を発表した。Core Ultraプロセッサについては、AIベースで脅威を検知する機能など、新要素が複数盛り込まれている。 - 「AI PC」がベールを脱ぐ! 次世代のモバイル向け「Core Ultraプロセッサ」正式発表 搭載ノートPCは順次発売
Intelが発表を予告していた「Core Ultraプロセッサ」が、ついに正式発表された。全てのモデルにAIプロセッサ(NPU)を搭載しており、NPUを利用できるアプリのパフォーマンスが大きく向上することが特徴だ。 - Intel“逆襲”の鍵はやはり「AIプロセッサ」か 次世代CPU「Core Ultra(Meteor Lake)」を解説(後編)
Intelが「Meteor Lake」というコード名で開発してきたCPUを「Core Ultraプロセッサ」としてリリースすることを発表した。この記事では、SoC Tileに搭載されているNPUやディスプレイ/メディアエンジン、Graphics Tile(内蔵GPU)やI/O Tile(入出力インタフェース)について解説する。【訂正】