AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目!(2/4 ページ)
4月24日から26日の3日間、東京・江東区にある東京ビッグサイト東展示場で「第33回 Japan IT Week 春」が開催されている。DX化やIT活用に取り組みたい企業をサポートする製品やソリューションが一堂に会する展示会だ。
“超速”サーバが誕生するかも?――MSI
エムエスアイコンピュータージャパン(MSI)の展示の目玉は、国内展開を2023年に告知していたサーバソリューションだ。
どんなに回線速度が上がっても、処理するクラウドサーバのマシンスペックが低ければ意味がない。MSIの「S2206-04」は、NVMeでRAIDを組めるように設計したストレージサーバだ。読み書きの速いNVMeストレージを投入しても「RAIDカードがボトルネックとなり、思うような速度が出ない」「4台までしかNVMeストレージを搭載できない」といった課題があった。
ソフトウェアRAIDを採用することで、CPUが直接処理をするためハードウェア的なボトルネックは生じないが、データ量が多くなるとコア数を増やしても速度が出ない。高いパフォーマンスを得るには、高価なCPUが必要になるという別の課題も生まれてしまっていた。
S2206-4は、GPUを利用してそれらボトルネックを解決するという。CPUが読み出しを、GPUが書き込みを行うことで処理や負荷を分散し、NVMeの持つパフォーマンスを発揮できる。理論上のスループットは最大毎秒260GB、実測でも毎秒100GBとなる。
MSI「G4101-01」は、GPUカードを4基搭載できるGPUサーバだ。スロットの上部に電源コネクターの空間も設けてあり、通常、ギリギリの高さに設計することが多い製品の中で「オンリーワンの存在だ」と担当者は言う。
担当者は続けて「NVMe自体がまだ高価なこともあり、導入したいという企業は限られると思うが、4K/8Kの映像を扱っているスタジオ、プレミアムな体験を提供したいと考えているクラウドサーバベンダー、機械学習を効率的に行いたいと考えている企業などではメリットがあるのではないか」と説明する。
MSIブースでは「Panel PC」も披露していた。展示していたのは10型から15.6型までのディスプレイを搭載する製品で、全て同じマザーボードを搭載しているという。これによってアプリやシステム開発が容易になり、コストダウンが図れる。工場や飲食店のハンディー端末として、また店舗でのPOS代わりとしての利用を想定しており、既に国内でも飲食店に導入されているという。
QNQPは大容量データ時代のThunderbolt NASを展示
ネットワークストレージメーカーのQNAP(キューナップ)は、Thunderbolt NAS「TBS-h574TX」や100GbE(ギガビットイーサネット)ネットワークスイッチ「QSW-M7308R-4X」と、その速度を生かすオールフラッシュストレージ「TS-h2490FU」などを展示していた。
YouTube、TikTok、Instagramなどで動画投稿が身近なものになり、動画編集が一般ユーザーにも広がっている。NASに動画素材を保存し、ノートPCなどクライアント端末からアクセスして編集を行う場合、通信速度が作業効率に影響する。Thunderbolt 4の転送速度は最大40Gbpsなので、高速かつ安定した接続で作業効率をアップできる。
100GbE対応ネットワークスイッチとオールフラッシュストレージは研究機関や大学、映像制作やデザインを行う企業など、大容量データを高速通信する必要がある組織で重宝するだろう。
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