“NEXT GIGA”に向けた各社の取り組みやいかに?──日本最大の教育関連展示会「EDIX 東京」に出展していたPCメーカーのブースレポート(1/7 ページ)
GIGAスクール構想スタートから4年目となる2024年、文部科学省ではその第2段階「NEXT GIGA」に向けて動いている。NEXT GIGAでは早くもリプレース時期を迎えた自治体の端末選定など課題も多い。PCメーカー各社はどのようなアプローチをしているのだろうか。「EDIX 東京」でその取り組みを見てきた。
2021年度に始まった「GIGAスクール構想」によって、小中学校では学習用デバイスを1人1台持つという状況が実現した。4年目を迎えた今、2025年に向けて次のフェーズが動き出している。それが浮上した課題の解決やさらなる活用を前に進める取り組みの総称「NEXT GIGA」だ。
しかし、解決しなくてはいけない現場の課題は山積みだ。予想以上に多かったデバイスの破損事例、デジタルのメリットを最大限に生かせない環境、早いところでは2025年度に大量のデバイスの更新時期を迎える自治体もある。
PCメーカーはそういった現状にどのような答えを出すのか。5月8〜10日に東京ビッグサイトで開催されている教育向け展示会「EDIX 東京」で目にしたものを紹介する。
頑丈さを追求したDynaBookのGIGAスクール端末
元気な子供たちが雑に扱っても壊れない――そんなコンセプトで作られたのが、タブレットPCとキーボードドックから構成される2in1デタッチャブルノートPC「dynabook K70」だ。
ボディーにはプラスチックの硬さとゴムの柔軟さをあわせもつ樹脂素材「TPU」(熱可塑性ポリウレタン)を使ったバンパーが取り付けられており、大人の腰の高さ(約76cm)から角を下に向けて落としても本体に影響しない頑丈さがある。
TPU自体がゴムのような手触りで滑りにくい素材のため、持っていても落としにくいという特徴もある。また、オプションの専用ケースを装着すれば、さらに保護力が高まる上、スタンド兼ハンドルでつかみやすくなるため、落とす心配を極限まで減らせるだろう。
キーボードとディスプレイの接続部分には、脱着を確実に行って接触不良を防ぐツメがある。低学年の子供でも間違いづらいという。ツメ自体も頑丈で、握力39kgの筆者が強い力で押してもびくともしなかった。これなら通常の利用で折れることはないはずだ。
キーボードにも工夫が施されている。キーキャップの2カ所にアンカーが仕込まれており、簡単に外れないようになっているという。
本体がコンパクトであるため、教科書、ノート、筆箱、そしてdynabook K70を一緒に教室の机の上に並べても余裕がある。またランドセルに楽に入れられるというのも子供目線でうれしい仕様だろう。
タブレットとして使う際に必要なペン「充電式アクティブ静電ペン2」は、キーボードドックに内蔵可能だ。マグネットでディスプレイ周辺に取り付けるタイプではなく、思わぬ紛失を防止できる。とことん子供目線で作ったというキャッチフレーズに偽りのない端末だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「できたできた!」の声が響くSTEMプログラミング出張授業 アイロボットジャパンの場合
アイロボットジャパンによるSTEMプログラミング出張授業が、東京・世田谷の下北沢小学校で開催された。対象となったのは小学2年生。「いちばんえらい人」の登場や、プログラミングロボットRoot100台の寄贈式もあった本授業で、子どもたちは何を学んだのか。 - Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ
Googleが、GIGAスクール構想で導入された端末のリプレースを意識した新サービスを発表した。Windows PCやiPadを使っている学校(自治体)のChromebookへの乗り換えを促しつつ、既にChromebookを導入している学校に継続利用してもらうことを目的としている。 - Dynabook、教育機関向けのキーボード着脱式2in1 Chromebookを発表
Dynabookは、教育機関向けとなる2in1 Chromebook「Dynabook Chromebook C70」の発表を行った。 - スタディラボ、デジタルと紙を融合した塾向け家庭学習サービス「StudyOne」
スタディラボは、デジタルと紙を融合した塾向け家庭学習サービス「StudyOne」を発表した。 - Chromebookの第4四半期の世界での出荷台数は64%減──IDC調べ
米調査会社IDCによると、Chromebookの2021年10〜12月期の世界での出荷台数は、前年同期比63.6%減だった。同4半期には「Windows 11」搭載PCが多数発売された。2021年通年では13.5%増で、3700万台だった。