Googleが「Google for Education GIGA スクールパッケージ」を発表 GIGAスクール用Chromebookの「新規採用」と「継続」を両にらみ(1/2 ページ)
Googleが、GIGAスクール構想で導入された端末のリプレースを意識した新サービスを発表した。Windows PCやiPadを使っている学校(自治体)のChromebookへの乗り換えを促しつつ、既にChromebookを導入している学校に継続利用してもらうことを目的としている。
Googleは4月23日、学習用端末としてChromebookを導入する際に必要なソリューションをパッケージ化した「第2期向けGoogle for Education GIGA スクールパッケージ」を発表した。本パッケージは「GIGAスクール構想」で導入された学習用端末の更新(リプレース)が順次始まるタイミングを見据えて開発されたもので、学習用端末としてのChromebook(ChromeOS)のシェア拡大を図ることが狙いだ。
第2期向けGIGAスクールパッケージの概要
第2期向けGoogle for Education GIGA スクールパッケージは、教育機関向けWebツール「Google Workspace for Education」に、Chromebook向けの新しいMDMライセンス「Google GIGA License」と、Google Workspace for Education/Chromebookの運用支援プログラム「Google for Education GIGA サポート」を組み合わせて提供する。
Google GIGA License
通常、Chromebookを教育機関で管理する場合は、管理用ライセンス「Chrome Education Upgrade」を端末単位で購入するか、同ライセンスが標準付帯する端末を購入する必要がある。
学習用端末として既にChromebookを導入している教育機関は原則としてChrome Education Upgradeを導入しているが、これだけでは端末管理者や指導者(教諭)が児童/生徒の端末利用状況を詳細に把握することが困難だった。
そこでGoogle GIGA Licenseでは、Chrome Education Upgradeのライセンスに、「Looker Studio」ベースで構築されたダッシュボードをセットで提供する。ダッシュボードでは、児童/生徒のChromebook(端末)の利用状況の他、Chromebookで利用できる各種アプリの利用状況も確認可能だ。
単体のChrome Education Upgradeと同様に、ライセンスは端末の買い換え時まで永続する買い切り型となる。ライセンス料金はシステムインテグレーター(SIer)によって異なる。
Google for Education GIGA サポート
Google for Education GIGA サポートは、Google Workspace for EducationやChromebookを新規導入または継続利用する教育機関(教育委員会や学校法人)に対する各種サポートをまとめて提供するものだ。
新規導入を検討している教育機関向けには、Chromebookを試用できる「トライアルサポート」や、これらの新規導入に当たっての環境整備を支援する「新規導入サポート」を提供する。
トライアルサポートで貸し出す端末の台数や貸し出し期間は、希望に応じて調整できる。他のOSとの比較検討などに活用してもらいたいという。新規導入サポートは、Google Workspace for Educationの環境(テナント)の構築を無料で支援するプログラムで、パートナー企業を通して利用を申し込む。
既にChromebookを使っている教育機関に対しては「継続導入サポート」を提供する。これは管理コンソールを使ったアプリや端末の利用状況をチェックした上で、最新機能の紹介や利用すべき設定などを無償でアドバイスしてくれるというサービスだ。
新規/既存を問わず提供するサービスとしては、無償の教職員向け研修プログラム「Kickstartサポート」(継続)、先述のGoogle GIGA Licenseのダッシュボードの初期設定を無償で実施する「活用データ可視化サポート」、Chromebook以外も含む学習用端末のリユースやリサイクルを支援する「リサイクルサポート」の3つを提供する。
継続導入サポート、活用データ可視化サポートとリサイクルサポートは、パートナー企業を通して利用を申し込める。
関連記事
- Dynabook、教育機関向けのキーボード着脱式2in1 Chromebookを発表
Dynabookは、教育機関向けとなる2in1 Chromebook「Dynabook Chromebook C70」の発表を行った。 - エイサー、コンバーティブル機構を採用した文教向け11.6型2in1ノートPC
日本エイサーは、学校導入向けとなるコンバーティブル機構採用の11.6型2in1ノートPC「Acer Chromebook Spin 511」「TravelMate Spin B3」を発表した。 - 公立小中学校の「学習用端末」の普及率は? 持ち帰れる? OSは何が優勢? 文科省が実態調査の結果(速報値)を公表
文部科学省が、2021年7月末時点における「GIGAスクール構想の実現に向けた端末の利活用等に関する状況」の速報値を公表した。GIGAスクール構想が目指す「1人1台端末」を実現できている自治体は全体の96.1%に達しているが、約1%の自治体は2021年度内の達成が困難な見通しだという。 - Googleが教育機関向けの「G Suite」を「Google Workspace」に改称 サービスを拡充
ビジネス向けに続き、Googleが教育向けのクラウドサービスを「G Suite」から「Google Workspace」に改称することになった。改称に合わせて新しいエディション(サービス体系)を4月から投入し、2022年1月(既存ユーザーは同年7月)からストレージポリシーの改定を行う。 - 「プログラミング教育」が必修化されたのはなぜ? それを支える「GIGAスクール構想」とは?
2020年度は小学校、2021年度は中学校で新しい「学習指導要領」が完全実施される。特に小学校の課程では「プログラミング教育」が導入されるなど、非常に大きな変化がもたらされる。必須化の背景はどこにあるのか、そしてそれを支える「GIGAスクール構想」とは何なのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.