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Arloブランドの「Essential屋内用カメラ(第2世代)」を試す Ringの屋内カメラとの違いは?山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/3 ページ)

スマートスピーカーやその関連デバイスについて、試行錯誤を繰り返しつつ、機能をバリバリ使えるようになる(予定)までの過程を、時系列でお届けする本連載。今回は、Arloの屋内向けネットワークカメラの新モデルをチェックした。

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Ringの屋内用カメラとの違いをチェック

 続いて、使い勝手について見ていこう。今回は、本製品とコンセプトがよく似た、AmazonのRingブランドの屋内用カメラ「Ring Indoor Cam 第2世代」と使い比べてみよう。いずれのモデルも、有料プランを契約した状態での比較となる。

Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
左がRing Indoor Cam、右が本製品だ。どちらも小型軽量で、レンズを覆うカバーを搭載している

 まず視野角については、ほぼ同等と言ってよいレベルにある。画面の色味は、かなり赤みがかっているRingに対して、本製品の方が和室の畳の色などを忠実に再現できているように見えるが、このあたりは好みにも左右されるだろう。

 夜間撮影については、映像全体に自動的にレベル補正がかかるようで、一部に明るい部分があると他が暗く沈み込む傾向がある。設定で調整すればRingのように全体を明るくすることも可能だが、それだとどの映像も明るくなってしまうのが困りものだ。もう少しインテリジェントさが欲しいと感じる。

 機能で見ていくと、動体検知による録画、手動での録画および撮影、マイクとスピーカーによる応答、録画映像のダウンロード機能など、ほぼ互角だ。また3つのモードの切り替えなど、アプリ側のインタフェースもRingに非常によく似ている。

 細かい違いとしては、録画した映像を、モーションや人検知などイベントのタイプ別に絞り込めるRingと異なり、本製品は日付での絞り込みにしか対応しないことが挙げられる。大量の記録から特定の条件に合致する映像を絞り込みたい場合には、やや不便だ。

Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
左が本製品、右がRing(以下同じ)。隣に並べて撮影しているが、画角はほぼ同一だ。色味は本製品の方が自然に見える
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
夜間撮影は、手前に明るい部分があると奥が暗く沈み込む傾向がある。Ringのように全体を明るくしたければ設定で調整することで近い色調になる
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
3つのモードの切り替えなど、アプリ側のインタフェースも酷似している。本製品とRingとでは警戒度の高さによる並び順が逆なのが面白い
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
以下は本製品のユーザーインタフェース(UI)だ。「ダッシュボード」で映像をタップすると手動での録画/撮影/マイクによる呼びかけなどの操作が行える(左)。下段の「フィード」からは全てのカメラで撮影した映像が並ぶ(中央)。「緊急」では、トラブル発生時などに登録済みユーザーに電話をかけて支援を求めることができる。他社ではあまり見かけないArloならではの機能だ(右)
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
「デバイス」からは、同じアプリで管理しているカメラそれぞれのライブ映像を見られる(左)。タップするとカメラ別のビュワーが表示される。下段には録画した映像の一覧が並ぶ(中央)。これらは撮影日で絞り込めるが、イベントタイプで絞り込む機能はない(右)
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
設定画面。今回の試用は有料プランのArlo Secureのトライアル中に行っている(左)。録画の設定画面。解像度は最大2Kで、夜間撮影の明るさはこの画面で調整できる(中央)。夜間撮影のオン/オフが行える(右)
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
マイクとスピーカーにより、カメラ前の人とのやりとりが可能だ(左)。アクティビティーゾーンは長方形でしか指定できないが、設置場所に融通が効く室内ではまだ対応できるだろう(中央)。動作検知や音声検知回りの細かな設定が行える。この画面では警報音の長さ/音量も設定できる(右)

 撮られたくない時にカメラのレンズをカバーで物理的に覆う仕組みは、どちらの製品にも搭載されているが、Ringはカバーを手で物理的に回転させて覆う形なのに対し、本製品はアプリから制御する仕組みを採用している(プライバシーシールド)。設定によっては、ビュワーを閉じることで自動的にカバーを閉じることも可能だ。

 つまりカバー開閉のためにカメラの前に足を運ばなくて済むのだが、言い換えると開閉に必ずアプリが必要になるので、例えば家庭内でこれらカメラのアプリを扱えるのが夫だけで、妻や子供がカメラのある部屋で着替えるので一時的にカメラを見えなくしたいという場合、Ringに比べると対応に手間がかかる。このあたりは一長一短という評価になるだろう。

Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
カバーで覆われた状態ではレンズ部分が真っ白な見た目になるため、違いが非常に分かりやすい。ただし、手動で閉めることはできない
Ring Indoor Cam(第2世代) Arlo Technologies ドアベル 屋内 有線カメラ
上記のアプリ上での表示。カメラが閉まった状態(右)では「プライバシーシールド クローズ済み」と表示される

 個人的にやや気になったのが、ライブ映像を表示するまでにかかる時間だ。比較対象であるRingのカメラや、Google Nestのカメラは、レビュー画面をタップしてライブ映像に切り替わるまでおおむね2〜3秒で済むが、本製品は7〜8秒かかることもある。急いで映像を見たい場合は少々困りものだ。

 また映像自体も、遅延が3秒程度発生する。同じネットワーク環境でRingのカメラを使った場合、USBで直結していると言われてもおかしくないほど遅延が少ないのとは対照的で、マイクを使ってのやりとりでは支障をきたしてしまう。

 このあたり、映像を中継しているクラウドの経路の問題なのか、カメラ自体のパフォーマンスの問題などかは定かではないが、少なくとも筆者の利用環境では、LAN経由でもモバイル回線経由でも明らかにワンテンポ遅い。この辺を重視するユーザーは、少々気をつけた方がよさそうだ。

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