Xeon 6にLunar Lake 全方位で競合をリードする、信用のブランドがIntelだ――基調講演でパット・ゲルシンガーCEOが語ったこと:COMPUTEX TAIPEI 2024(1/4 ページ)
COMPUTEX TAIPEI 2024において、Intelのパット・ゲルシンガーCEOが基調講演を行った。どのようなことが語られたのか、まとめていこう。
2024年6月4日、台湾・台北市で開幕した「COMPUTEX TAIPEI 2024」において、Intelのパット・ゲルシンガーCEOが基調講演を行った。講演のタイトルは「Bring AI Everywhere(AIをどこにでも届ける)」とのことで、AI(人工知能)に絡めて同社の新製品などを紹介していった。
この記事では、ゲルシンガーCEOが基調講演で語ったことをまとめる。
COMPUTEXと80286は“ほぼ同い年”
ゲルシンガーCEOは、COMPUTEX TAIPEIが最初に開催されたのが1981年であることに言及した上で、「その翌年(1982年)に『80286』を出したんだよね」と、80286の実物を取り出して観客を沸かせた。
80286について念のために補足すると、現在のIntel製CPUの源流ともいえるCPU「8086」の後継として1982年2月に登場したCPUで、命令処理の高速化、扱えるメモリ容量の拡大(最大1MB→16MB)、そしてマルチタスク対応に備えて「プロテクトモード」というメモリやプロセスを保護する動作モードが追加されたことが特徴だ。
Intel Foundryは「AI時代」を支えるための取り組み
80286のリリース当時、CPUのトランジスタ数は十数万個だった。しかし、2030年までにCPUが備えるトランジスタの数は1兆個に到達すると予測されている。
AIの応用と実用化が加速している昨今、コンピュータ業界は全てのデバイスのAI化に挑戦しており、近い将来において全ての企業が何らかの形でAIに関与するようになる――ゲルシンガー氏はこう推測している。
その上で、ゲルシンガーCEOはAI対応プロセッサ(SoC)の受託生産(ファウンドリー)事業「Intel Foundry」を2024年に開始したことを紹介した。この事業は、「Era of AI(AI時代)」を支えるための取り組みだという。
なお、Intel Foundryに関しては過去に拙著で詳しく解説しているので、合わせて参照してほしい。
- →2030年までに“世界第2位”を目指す! Intelが半導体の「受託生産」に乗り出す理由【前編】
- →そのあふれる自信はどこから? Intelが半導体「受託生産」の成功を確信する理由【中編】
- →プロセスノードに加えて新技術も売り込む! Intelが半導体の「受託生産」で使う“武器”【後編】
このIntel Foundryを鍛え上げているのが、自社設計したCPUの生産だ。
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