“NEXT GIGA”のスペック更新で各社が学習用端末をアップデート──「NEW EDUCATION EXPO 2024」レポート(1/8 ページ)
6月6日〜8日にかけてTFTビル(東京・有明)で開催された「NEW EDUCATION EXPO 2024」。GIGAスクール構想第2フェーズに向けて更新された要件を満たす学習用端末のほか、校務用端末などさまざまなものが展示されていた。ここではハードウェアに焦点を絞って紹介する。
小中学校で1人1台端末を実現したGIGAスクール構想プロジェクトの開始から4年目──そろそろ端末のリプレースが必要な時期だ。文部科学省では、2024年度から2028年度に「NEXT GIGA」または「GIGAスクール構想 2.0」と呼ばれる第2フェーズ(以下、NEXT GIGA)に取り組む。
NEXT GIGAではこれまでの経験を踏まえ、学習者用端末の最低スペック基準が更新された。それによると、OSはWindows 11 Pro/ChromeOS/iPadOSの中から選べ、ストレージはそれぞれ順に64GB/32GB/64GBもしくはそれ以上、メモリは8GB/4GB(iPadでは指定なし)もしくはそれ以上、タッチパネル、インカメラおよびアウトカメラ、マイク・ヘッドフォン端子の搭載、周辺機器にハードウェアキーボードとタッチペンを用意、重さ1.5kg程度を超えないこと、バッテリー稼働時間8時間以上といった指定がある。
若干底上げされた仕様に、各社はどのようなNEXT GIGA端末を打ち出すのか。6月6〜8日にかけて、TFTビル(東京都江東区)で開催された「NEW EDUCATION EXPO 2024 東京会場」の各ブースで見つけたものを紹介する。
メーカー初のChromebook搭載GIGAスクール端末──マウスコンピューター
マウスコンピューターでは、6月3日に発売したメーカー初のChromeOS搭載端末「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」の実機を展示していた。
ボディーは360度回転するヒンジにより、クラムシェル、テントスタイル、タブレットスタイルでの利用が可能で、教室内だけでなく屋外学習にも対応している。
ハードウェアキーボードのキーストロークは約1.4mmと浅いものの、キータッチは良好で入力しやすい。標準の日本語キーボードなので、GIGAスクール端末を卒業した後でも、会得したタイピングスキルを生かせるだろう。
興味深いのは、ヒンジとヒンジの間に設けられた収納式のハンドルだ。GIGAスクール端末では、持ち運べるようハンドルやストラップなどのアクセサリーをメーカー側、あるいはサードパーティーが用意することが多いが、マウスコンピューターのChromebookでは端末のみで完結している。
大人の手では4本の指を差し込むことは難しいかもしれないが、握力の発達しきっていない小学校、中学年程度の児童の指であれば、しっかり握れるだろう。何よりギミックとして面白い。
スタイラスペンホルダーはUSB Standard-A端子に差し込むタイプだ。マグネットタイプではない分、脱落しにくいと感じた。ただ、充電にもUSB Standard-A端子を利用するので、その間はホルダーがなくならないように注意が必要である。
スタイラスを用いて筆記してみたが、反応や追従性は良好だ。低価格タブレットでありがちなイライラを感じることはないだろう。子供たちの手書き学習に十分使えそうだ。
GIGAスクール端末では頑丈さを条件として挙げていないが、mouse Chromebook U1-DAU01GY-Aには高さ75cmからの落下を想定した耐衝撃性、野外活動での突然の雨降りにも対応したIPX4の防滴機能を搭載している。さらにストレージとメモリには最低スペックの倍となる64GB/8GBを搭載している。
「最低レベルではない、その上をいく端末で学習してもらいたかった」という担当者の言葉が胸に染みた。
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